第23話:奥司羅姫。(おくしらひめ)
「妖怪じゃありません」
「まあ妖怪ちゃんにもお友達はいるけど・・・」
私はみんなからは「おくしら様」って呼ばれていてね、蚕の神様で農業の
神様でもあるの」
(蚕とか農業とかってそう言う神ってよくいるんだな・・・)
(小玉ちゃんもそうだし・・・)
(それにしても、なんで俺ってこういった類の人と遭遇するのかな?)
「正式には
呼ばれてる・・・」
「だから
「あ〜そうなんだ・・・で?、その花乃?・・・ちゃんが俺に何の用?
「一目惚れ・・・」
「あなたがこの民宿を訪れた時から私、あなたを見て一目惚れしちゃったの・・・
それからずっとあなたを見てるよ」
「一目惚れだって?・・・これって小玉ちゃんとまるっきり同じパターンじゃん」
「だからあなたが民宿を後にする時、私もあなたについていくから」
「え、ついてくるって?」
「そこまで同じだと気色悪いわ・・・」
「でも、待て待て・・・ついてくるってのはそれはマズいよ」
「いくら君が魅力的な女神様でも、今回ばかりは承諾できないわ・・・」
「一目惚れしたって言ったでしょ」
「断ってもついていくからね、もう決めたから」
「あのね、俺さ、家に帰ったら彼女が待ってるんだけど」
「だからはっきり言って、ついてこられると迷惑なんだよね」
「いいよ別に、あなたに彼女がいたって・・・私そんなこと気にしないから」
「いやいやいや、絶対マズいって・・・君を連れて帰ったりしたら大変なことに
なるから・・・そんなの目に見えてるよ」
「それに俺、彼女のこと裏切れないし・・・」
「あのね、実を言うと俺の彼女も君と同じ女神なんだ・・・」
「ウソや冗談じゃなくて・・・」
「え?うそ・・・そうなの?・・・彼女が女神?・・・」
「その女神・・・なんて名前?
「本名は
「まじで?・・・まじで小玉ちゃん?・・・あなたの彼女って島根の小玉ちゃん?」
「そうだけど・・・」
「小玉ちゃんならよく知ってる・・・てか、ずいぶん会ってないけど・・・」
「小玉ちゃんと私、友達だよ」
「え?・・・まじで?」
「小玉ちゃんに会いたいな・・・・」
「君が小玉ちゃんと友達って・・・世間はなんて狭いんだ」
「やっぱりついてっていい?、小玉ちゃんに会いたいから」
「それはいいけど、好きになられても困るよ・・・俺には小玉ちゃんって
大切な人がいるんだからね」
「分かった・・・いいよ小玉ちゃんと、あなたの取り合いするつもりないから」
「一目惚れっていうのは一旦ひっこめる」
「一旦ひっこめるってなに?・・・諦めるじゃないの?」
「いつチャンスが訪れるか分かんないでしょ・・・だからね」
「ところで、あなたのお名前は?」
「あ〜俺の名前は「
「そ、ダイシ、よろしくね」
「あ、よろしく・・・ってかまじで、デジャヴだよ」
ってことで大志は、また女神さまを連れて帰ることになった。
第24話につづくのじゃ。
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