第21話:また眠ってしまった小玉ちゃん。
小玉ちゃんが大志の体に入ってから10分・・・小玉ちゃんが出てくる気配は
なかった。
「手間取っておるのう・・・」
「心肺停止の状態じゃからの・・・多少は時間がかかるか・・・」
しばらくするとタマちゃんと手を繋いでる小玉ちゃんの手が動いた。
引っ張り出してって言ってるように小玉ちゃんの手がタマちゃんの手を
グイグイ引いた。
タマちゃんは持てる力をフルに使って小玉ちゃんを引っ張った。
すると少しづつ大志の体から小玉ちゃんが出てきた。
大志の体から完全に出てきた小玉ちゃんが言った。
「もう大丈夫、ちゃんと心臓も動いてるし息もしてると思うから 」
「やれやれ・・・一安心か・・・」
そしたら大志が大きく息を吸った。
と思ったら、目をぱちくりさせてゆっくり目を開くと、なにがあったのか
確かめるようにあたりを見回した。
「あっ、ダイちゃん・・・・気がついたのね?」
「俺は?・・・どうなったんだ?」
「お風呂から上がったと思ったら、いきなりデーンって倒れちゃったの」
「ああ・・・そうなんだ・・・おれ意識を失ってたんだ」
「意識を失ってたってより心肺停止の状態じゃったんじゃ、おまえは」
「じゃが大丈夫じゃ・・・小玉がおまえを救ったからの」
「小玉ちゃんが?・・・」
「ダイちゃん、とりあえず意識は戻ったけど一度病院で見てもらって、お願い 」
「また意味もなく倒れちゃったら次は私でも治せないかもしれない・・・」
「分かった、一度病院へ行ってみる・・・」
「可愛い彼女をひとり残してあの世には行きたくないからな」
「って言うか、小玉ちゃん俺のせいでチカラ全部使っちゃったんじゃないのか?」
「今すぐエッチしよう、エッチ」
「なに言ってるの・・・さっきまで心肺停止だった人が・・・」
「だって俺より小玉ちゃんの命のほうだ大事だし・・・」
「私だってダイちゃんを救うためなら命かけるよ」
「さっきから、おまえらノロけてばかりおるではないか?」
「タマちゃん、小玉ちゃんは神様の世界に引き戻されたりしないかな?」
「今回ばかりは危ういかものう・・・おまえのために治癒力をほとんど
使ったじゃろうからな・・・」
「 小玉にはもう精力も体力も残っておらんじゃろう」
「大丈夫だよ・・・・私・・・ダイちゃん・・・」
そこまで言って、小玉ちゃんはその場で気を失った。
「やれやれ仲のいいカップルじゃわい・・・」
「彼氏が倒れたと思ったら今度は彼女の番か?」
「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないですよ」
「小玉ちゃん、これからどうなっちゃうんだろう?」
「よかったのう、小玉とエッチしといて・・・」
「もし小玉は自分のチカラを全部使っていたとしても、おまえの
まだ体に残っておる」
「まあ、しばらくは眠ったままじゃろうが神の世界に引き戻られることは
なかろう・・・ 」
「まあ、エッチする前におまえが倒れてなくてよかったっちゅうことじゃの」
「小玉ちゃん、いつまで寝るんだろ?」
「海斗を救った時とは違って今回は治癒に長く時間がかかったからのう・・・」
「いつまで寝るかは誰も分からんて・・・もしかしたら100年くらいは寝るかもな 」
「え〜・・・そんなの小玉ちゃんが目覚めた時、俺生きてないじゃん」
「まあ、100年はちょっと大げさじゃったかの・・・」
「一週間もすれば、目覚めるんじゃないか?」
「え?100年と一週間って、極端だな・・・」
「でも、それだってタマちゃんの予測だろ?」
「また焼肉でもするかの?・・・わしも食べたいし・・・」
「小玉ちゃんの好物ってなんだろ?」
「それは、おまえじゃろ・・・おまえのことが一番好きなんじゃろ?」
「俺じゃ、食えないし・・・」
「チューでもしてやれば起きるんじゃないか?」
「ほんとにいいかげんだな・・・」
「わしは神社に帰るで・・・小玉が起きたらまた呼んでくれ」
そう言ってタマちゃんは神社に帰って行った。
小玉ちゃんは一週間もすれば目覚めるんじゃないかってタマちゃんが
言ったがその通り、ほんとにジャスト一週間で彼女は目覚めた。
「おはよ、ダイちゃん」
「よかった・・・まじで100年眠られたらどうしようって心配したよ」
つくづくエッチしといてよかったと胸をなでおろす大志だった。
第22話につづくのじゃ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます