第18話:気を利かすタマちゃん。

「小玉ちゃんが目覚めてよかった・・・ずっと眠ったままだったからさ」


「大丈夫だよ・・・失った分の半分くらいは回復したから」


「数分の消費でも回復するのに時間かかるんだな」


「そうね・・・古い携帯電話みたいなものかな」


「え?なにそれ」


「バッテリーが無くなるのは早いくせに充電には時間かかるってやつ」


「あはは、よくそんなこと知ってるな」


「長く生きてるからね・・・」


「ああ・・・それか・・・」


「それより焼肉、焼肉、や〜きにく〜・・・よだれ出ちゃう」


小玉ちゃんはぐっすり寝てたこともあってか肉が焼けるのも待ち兼ねて

次から次へと焼肉を口に運んで行った。


「そんなにガツガツ食べて大丈夫か?」


「いいのいいの」


「もう、女神の品格もないのないな〜本当に女神か?」


「なんならまた宙に浮いてみせようか?」


「いいから・・・そんな余計なことはしなくていいよ・・・」


小玉ちゃんは、もう入らないってくらい腹一杯焼肉を食べた。


「ゲブゲブ言いながらシャツをめくって膨らんだ腹をふたりに見せた。


「ほれ」


そう言って腹をポンポン叩いた。


「色気もクソもないのう」


小玉ちゃんの膨らんだ腹を見てタマちゃんも呆れた。


満足の晩ご飯を食べてから大志たちはテレビを見ながらゆっくりくつろいでいた。


するとタマちゃんが


「ちょっと用事を思い出したで・・・しばらく出て来るからの」

「今夜は帰ってこんかもな・・・」

「大志・・・分かっとるな」


「え、なにが?」


「アホかおまえは・・・わしがこんなに気をつかっとるのに」


「あ〜〜〜〜そうか・・・そういうことね、分かった・・・頑張る」

「いってらっしゃい」


タマちゃんは大志と小玉ちゃんに気を使ってくれて、ふたりっきりに

なれる時間を作ってくれたのだ。


(それはいいんだけどさ・・・いきなりってのもな・・・)


「タマちゃん、気が効くね・・・私たちのために出てちゃったんでしょ」


「分かってたの?、タマちゃんの意図」


「うん・・・」


「あのさ、小玉ちゃん・・・俺とエッチする気力と体力まだ残ってる?」


「エッチするの?」


「俺ともうそういう関係になってもいいかなって思って・・・」


「気力と体力、雑巾みたいに絞り出すから大丈夫だよ、ダイちゃん」


「じゃ〜俺、風呂沸かすから」


「お風呂、一緒に入ろうね、ダイちゃん」

「わ〜そうなんだ・・・するんだ、エッチ」

「え〜緊張する・・・どうしようダイちゃん・・いざとなると怖いよ〜」


「優しくするから・・・大丈夫だよ」


って言ったものの・・・相手は女神様・・・人間の女性とは違うかもしれない。

大志は女性経験がないわけじゃなかったが、かと言って自信があるわけでも

なかった。

ちゃんとできるかどうか多少の不安はあった・・・いやいや大いに不安だった。

やっぱり相手は女神様だし・・・。


第19話につづくのじゃ。

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