第17話:焼肉の匂いで目覚める小玉ちゃん。
大志は小玉ちゃんを抱っこしてタープまで連れ戻ったが彼女は眠ったままだった。
このままおんぶして帰るかなって思ったんだけど、よく考えたらタマちゃんが
いるじゃん・・・またピュンって瞬間移動してもらったら早く帰れるし・・・。
大志はタープの下で眠ってる小玉ちゃんを見て、また涙がこみ上げてきた。
なんてあどけなくて可愛い寝顔・・・女神さまはどんな夢見てるんだろう?
(俺・・・小玉ちゃんを愛してるんだ)
その時、大志ははっきりと確信した。
涙がでるほど小玉ちゃんを愛してるって。
キャンプなんかもうどうでもよくなった大志は早くマンションに帰りたいと思った。
マンションへ帰って小玉ちゃんと静かに過ごしたかった。
大志の気持ちを察したのかタマちゃんが言った。
「そろそろ帰らんか?」
大志はタマちゃんに小玉ちゃんを見ててもらって受付にキャンプ道具を
返しに行った。
受付から帰ってくると海斗君の両親が大志のところにお礼の挨拶に来た。
で、彼の名前と住所を聞いてきた。
どうしても、お礼がしたいとのことだった。
そんなこといいのに・・・。
俺も小玉ちゃんもタマちゃんも人としてするべきことをしただけ・・・
それだけのことなのに・・・って大志は思った。
で、さっそく大志はタマちゃんに頼んで一気にマンションに飛んで帰った。
キャンプ場に来てた人は彼らが消えるのを見た人もいただろう?
そんなこと知ったことじゃない。
それにそんなこと人に言ったところで誰も信じてはくれないだろう。
マンションに帰っても小玉ちゃんは目覚めなかった。
しかたなく小玉ちゃんをベッドに寝かせて大志はキャンプ用に買った食材で
晩御飯の支度をした。
キャンプでバーベキューでもしようと思ってたから肉をたくさん買ってあった。
だから今夜は焼肉だな。
「タマちゃん、焼肉だよ」
「やきにく?・・・はて食べたことないような気がするがのう・・・」
「賞味期限が切れたカビ臭いおにぎりばっか食ってたんだろ?」
「美味いよ〜焼肉・・・はい、座って座って」
テーブルキッチンにホットプレートを出して大志は肉を焼き始めた・・・。
「ほ〜美味そうじゃの・・・」
そしたら、その匂いを敏感に嗅ぎつけたやつがいた。
二階の大志の部屋から小玉ちゃんが、いきなり降りてきた。
「焼肉の匂いがする・・・」
「え〜、焼肉の匂いで起きてきたのか?」
「私をほうって、ふたりで焼肉パーティーなんて油断も隙もないったら」
(女性は焼肉好きだよね・・・まあ、俺も好きだけど・・・)
「でも、小玉ちゃんが目覚めてよかった・・・ずっと眠ったままだったからさ」
「大丈夫だよ・・・失った分の半分くらいは回復したから」
「数分の消費でも回復するのに時間かかるんだな」
「そうね・・・古い携帯電話みたいなものかな」
「え?なにそれ」
第18話に続くのじゃ。
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