第14話:女神が人魚って?
「いいね、海・・・でも久しぶりなんだ、海見るの・・・」
「ど田舎の山の旅館に閉じこもってたから・・・」
「もう、泳げるよ・・・あ〜水着持ってくればよかったな・・・」
「小玉ちゃんのぶんだけでも買ってくればよかったかな」
「小玉ちゃんの水着姿、見たかったのに・・・」
「それって?、どういう意味?・・・ただのスケベ心?」
「可愛い女性が見たいってのは男の本能・・・」
「大丈夫だよ・・・どういうものか見たら衣装替えできるから」
「じゃ〜こういうの、どうかな」
大志はスマホで画像検索して自分の好みの水着を小玉ちゃんに見せた。
「ああ、見たことある・・・そういうのに着替えて欲しいんだ?」
「そうだね・・・」
「っていうより、私、人魚にだってなれるんだよ」
「まじで?・・・人魚だよ・・・そんな器用なことできるの?」
「できるよ・・・」
そう言って小玉ちゃんは波打ち際まで行くと海の中に入って行った。
小玉ちゃんが腰のあたりまで入ったから海の中でなにが起きてるのか
大志には分からなかったけど、しばらくすると海の中から魚の下半身を
した小玉ちゃんが尾ひれを振って大志にアピールした。
「まじで?・・・いつの間に?人魚なんて架空の生き物だろ?」
「誰かに写メされたらマズいじゃん」
「ダイちゃんもおいでよ・・・」
「もう、その変でいいから・・・上がっておいで」
「元に戻って・・・女神が人魚になるなんて聞いてないよ」
「小玉ちゃんには驚かされっぱなしだな、まったく」
「人魚って昔は天界の女神様が海に入った時の狩の姿なんだよ」
そう言いながら小玉ちゃんは海からあがってきた。
大志が見せた水着を小玉ちゃんはちゃんと着ていた。
「もう、戻ろう・・・おいで」
小玉ちゃんを連れてタープを張った場所まで帰ってくるとタマちゃんは
グースカピースカ寝ていた。
「タマちゃんやる気ゼロだね」
「誘ったのは俺だから・・・いいんじゃないか?」
「まあ、キャンプなんか興味なさそうだし・・・」
「あの・・・すいません・・・うちの子見ませんでしたか?」
そう言って来たのは右隣の親子ずれのお母さん。
「え?カイト君ですか?」
「はい・・・ちょっと目を離した隙にいなくなったんです」
「こちらにお邪魔してないかと思って・・・」
「いえ、私たちもさっきまで海にいたんですけど、カイト君見かけません
でしたけど・・・ 」
「いないってのはなんか、心配だよな・・・」
「そうだね・・・」
小玉ちゃんは女神の感なんだろう・・・嫌な予感を強く感じた。
「タマちゃん、起きて」
「はやく〜起きて」
「なんじゃ・・・人が気持ちよく寝とるのに起こしおって・・・」
「タマちゃん、お願い、男の子を探して・・・」
「私たちが来た時、話してたでしょ・・・カイト君って男の子」
「行方不明になってるの・・・タマちゃん探して」
「そうか・・・それは一大事じゃの・・・待てよ」
そう言うとタマちゃんは、あぐらを組んで鋭い目をして一点に集中した。
第15話につづくのじゃ。
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