第7話:訪ねてきた客。

で、いい雰囲気になった大志だいし小玉こだまちゃん。

その夜はさそがし、ラブラブな夜を過ごすんだろうな〜って思ったんだけど

ふたりとも、なにごともなくグースカピースカ寝てしまった。


エッチするんじゃなかったんかい。


大志は小玉ちゃんが処女と知って、ためらっちゃったんだね。

結婚もしてないのに、もし自分が小玉ちゃんの処女を奪ったら自分は

小玉ちゃんに対して多大なる責任が生まれると思ったワケ。


それでもし万が一小玉ちゃんと別れるなんてことになったら小玉ちゃんを

傷つけてしまうことを恐れたわけかな・・・。


責任ってね・・・今時そんな律儀なこと考える男なんているのかどうか

は別にして意外と真面目なんだね大志は・・・。


そんなこと言ってたら、いつまでたってもエッチなんかできんぞ。


小玉ちゃんは大志に身も心も捧げることを望んでるみたいだけど

お互いの気持ちはうらはら。

大志がエロい気持ちにならないと始まらないわけだけど大志の本音を言うと

彼は小玉ちゃんとの愛を確かめ合いたいと思ってはいても、やはり責任って

ふた文字が大きな壁となってるのは確かかな。


それから、なんとなく探り合いの日々の中、一週間ほど過ぎていった。


その間に小玉ちゃんは大志の手ほどきをうけて料理にチャレンジしていた。

腕はまだまだだけど、やる気だけはあったようだ。


あと掃除も洗濯も大志に教えてもらって、なんとかできるようになった。

見習いだけど立派でもないけど主婦じゃん。


ある日のこと大志は小玉ちゃんとテレビを見ていたら部屋のインターホンが

鳴った。

だれかマンションを訪ねてきた人がいた。

で、また部屋のインターホンが鳴った。


大志は客が来たと思って部屋のモニターを見たが誰も見えない・・・。


おかしいな〜と思ったが誰もいないんじゃしょうがない。

無視しようと思ったら、またインターホンが鳴った。


でまたモニターを見たけど誰もいない。


「もう・・・誰かのいたずらか?・・・近所のガキっちょか?」


するとその様子を見ていた小玉ちゃんが言った。


「あ、もしかしたら、私のお友達かも・・・」


「えっ、あ〜小玉ちゃんが絨毯と話してた時の?」


「頭の悪子じゃないんだから・・・私、絨毯となんか話してないから」


「その箱に映らないってことは・・・」


「背がちっこい人・・・」


「だね・・・たぶん間違いないと思う〜」


誰が来たのか確かめるために大翔と小玉ちゃんはエレベーターで下に降りて行った。

そしたらマンションの玄関入り口に、その人?は立っていた。


「タマちゃん・・・久しぶり〜」


「え、タマちゃん?」


見ると、まんま招き猫みたいな人?、猫、みたいなのが手を上げて

小玉ちゃんに愛想を振りまいていた。

背は、小玉ちゃんより小さい・・・しかも二本足でちゃんと立ってるし・・・。


(たしかに低くてモニターには映らないわな)


「ダイちゃん、紹介するね、こちらタマちゃん」


「あの・・・小玉ちゃん・・・ちょっと」


そう言って大志は小玉ちゃんを手招きして彼女を自分のところに呼んだ。


「なに?ダイちゃん」


「あのさ・・・あれが小玉ちゃんの友達って人?」


「そうだけど・・・」


「どう見ても人間じゃないよね・・・なに?誰?・・・小太りの猫?」


「人間なんて、ひとことも言ってないよ、私」


第8話に続くのじゃ。


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