第4話 昼休み
親友と二人向い合ってお弁当を食べているとき聞かれた。
「どうですか最近のうちのエースは?」
「何で聞くの?近くで見てるからそっちのほうがよくわかるじゃん。」
「いやいや、マネージャーって大変なんだよ。こっちはこっちで色々とあるので、ずっと見てられるわけじゃないんだよね〜。昨日いなかったじゃん。」
理科準備室から見ているのを知っているので、たまに手を振ってくる。
「いや、毎日だとストーカーみたいじゃん。よくないかなぁって。」
「でも1年生の女の子たちはスマホ片手に所かまわず追いかけているよ。」
「ああいうふうに間近で追いかけられる人はいいの。私はカメラ持っているしあまり彼の周りにいるのは…。」
親友が察したようで、
「ふさわしいかどうかは彼が決めることじゃん。」
なんて言ってくる。でも実際彼に話しかけたことないのでどうなりようもないのだ。続けて親友が
「最近の写真見せてよ、どうせベストショットはスマホに入れているんでしょ。」
そういうので返す。
「ええ、そうですが何か?!」
私のスマホを見ながら彼女が、
「ほう上手だね〜。」
「まぁね。」
「愛があると違いますな〜。」
「そういうこと大きな声で言わないで。」
「はいはい。」
私は真っ赤になりながらスマホを返してもらう。
「そういえば来週の日曜日、隣の市の高校と練習試合するってよ。何でも市営球場使うから入れるよ。たぶん、親御さんやら誰かが写真撮っているから、カメラ持っていても変に思われないよ。」
「それほんと!」
といいながら私は立ち上がってしまった。クラスの視線がきたが、親友が何でもないよとみんなに説明してくれていた。
慌てている私に親友が
「せっかくだから撮りに来てみれば。」
と軽く言う。
市営球場なんてちょっ遠いので滅多に行かない。でも、彼を撮れるのならばいく価値はあるかも。いやもう行くしかない!
密かにほくそ笑む私はちょっと不気味だったらしい。
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