第103話 旅立ちと出会い
日記を見つけてから私は
それからは魔法の勉強に注力した。そして開校以来の才女として、飛び級して3年で主席卒業。
退寮して家に帰ると借金取りが来ていた。
「金出せやオラ!」
「これで勘弁してください」
母親が金の入った袋を差し出す。
「こんなんじゃ足りねーだろーがよぉ!」
借金取りが母親を蹴り飛ばす。
「母さん!」
「あ? 娘か。お前ここ3年間見かけなかったな。どこ行ってた?」
「学校だよ!」
「へぇ、学校。返済は出来ねーのに学校は行けるんか」
「奨学金だよ! 文句あるか⁉」
「あ~奨学金。つまり借金じゃん。さらに借りるんだー。へぇー。何代にも渡るような借金をする奴の末裔は、やっぱり不誠実でバカなんだねー」
思わず手が出そうになった。だがこらえた。ここで手を出せばそれこそ不誠実だ。金に関しての誠意とは、期日までに金を用意すること。散々期日を伸ばしてもらって、返済せずに手まで出したら、名誉は回復できない。
下唇を噛んで、睨むことしかできない。
「まあいいわ。今日はこの袋だけで勘弁しといてやるよ」
借金取りは帰っていった。
時間はない。一刻も早く魔王を討伐しなければ。
「母さん。話があるの」
私は、私の考えをすべて話した。
「分かった。我が家の今後は貴女に託すわ。頼んだわよ」
母は応援した。いや、母もそれに縋るしか出来なかったのだろう。なんでもいい。とにかく今は金と魔道具だ。死者蘇生の魔道具。絶対に見つけてみせる。
そして私は旅に出た。1年後。メルリン学園の入学式。OGとしての挨拶に行く途中、アマナス君に出会った。
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