第101話 語れ
「殺せたのか?」
ナザトがオーサーに問う。
「魔道具になったってことは、そうだと思う」
「アマ兄は? アマ兄はどうなっちゃったの?」
リコが迫る。
「魔王と共に死んだと考えるのが妥当だろう」
「そんな! 嫌だよ! こんなお別れなんて嫌だよ!」
「そう言われても……こればっかりは……」
「いや、まだ方法はある」
「ナザト?」
「オレの魔道具で元に戻せば――」
「駄目だ! それを使っても魔王が復活するだけだ!」
オーメンが怒鳴る。そこにオーメンが割り込む。
「大丈夫だと思うよ」
「お前、もう意識戻ったのか」
「お陰様でね。それよりも復活のことだよ」
「なぜ大丈夫だと言える」
「最期に彼は意識を降り戻した。そのうえで魔王の体で自害したのなら、きっと戻るのはアマナス君だ」
「……約束しろ。もし復活するのが魔王だたら、今度こそ協力して戦ってもらうぞ」
「……分かったよ。敗者に意見する権利はない」
「じゃあナザト。やってくれ」
ナザトが風呂敷でネックレスを包む。中が光る。そして人型になる。
頼む。アマナスであってくれ。そう思いながら風呂敷を取る。
出てきたのはアマナスだった。皆ほっと溜息をつく。
「んー」
アマナスが目覚める。
「アマ兄!」
リコが抱きつく。
「リコちゃん。ごめんね。心配かけて」
「ううん。起きてくれて嬉しいよ」
「皆さんもご心配おかけしました」
いいよいいよ。魔王を倒してくれてありがとう。そんな言葉が返ってきた。
「オーメンさん。事情を聞かせてください」
「そうだよね。こうなった以上は、話さないわけにはいかないよね」
彼女は腹を括った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます