第4話 納税証明書
納税証明書
病院で診察を終えた二人は、魔力操作による治療を受けるため、話ながら移動していた。
「アマナス君。さっきの証明書のことなんだけど……」
「こんな小さな村にも、ああいう制度ってあるんですね」
「まさにそこについて話があるんだけど、いいかな?」
オーメンはいつもより引き締まった表情をしていた。それをみて、アマナスも表情を引き締める
「スタンプ制度は、国紋と家紋を混ぜた魔力の判を役所に提出し、認定されたものを心臓に打つことで、所属を明らかにする制度なのは知ってるよね?」
「はい。確認する時は、それに
「そのスタンプ制度は、とある魔道具を参考にして作られたんだよ。」
「そうなんですか!?」
「うん。国民の管理なんて、魔道具を使わないと難しいんだよ。だから、この村の証明書制度にも、魔道具が関わっている可能性が高い。」
「!!」
まさかと思い、彼は質問を投げ掛ける。
「その魔道具を集めるんですか!?」
「まさか。管理システムになっちゃってるのを奪うほど、節操無しじゃないよ。」
それを聞いてアマナスは胸を撫で下ろす。
「でも、もし魔道具なら、どんなものかは知りたいんだよね」
↓漫画にするときは役所じゃなくて、琴に実践させて、それで分かるようにする。この時は名前を聞かない。↓
彼らは魔力操作の治療を受けた後、役所へと向かった。
「すみません。納税証明書についてお話を伺いたいのですが」
オーメンが役所の窓口に持ちかける。
「かしこまりました。担当の者をお呼びしますので、お掛けになってお待ちください」
二分ほど待つと、名前が呼ばれた。
「お待たせいたしました。納税証明書についてお話をお聞きしたいとのことですね」
「はい。スタンプ制度と似た制度があったので、気になりまして」
役員が二人に説明する。
「そもそもスタンプ制度は、税の徴収、身分の保証、相続権の証明のための制度です。しかし、国紋を持たない団体や家紋の無いご家庭では、採用出来ません。そこで生まれたのが、納税証明書です」
「スタンプとは何が違うんですか?」
アマナスが問う。
「納税証明書は、
「魔力を持たない人はどうするんですか?」
「血の判を書類に押していただきます。その血から個人情報を読み取ります。ただしこちらは、身元が確かな方の血判とご一緒でなければ、認められません」
「どうやって個人情報を読み取るんですか?」
「それは機密事項です」
その一言でオーメンは落胆した。しかし確信した。そこか……。
「納税証明書をお作りするなら、つまり当村の住民になられるのなら、お見せすることも出来ますが?」
「じゃあお願――」
「いえ、私達は旅人ですので」
アマナスが証明書を作ろうとした瞬間、オーメンがそれを遮った。
「お話ありがとうございました。行こう、アマナス君」
「えっ、でも」
「いいから」
そういう彼女の目は曇っていた。
役所をあとにしたアマナスはオーメンに質問した。
「魔道具に近付けるかもしれなかったのに、よかったんですか?」
「管理システムになっちゃってる物は、流石に集められないし、それなら別にいいかなって」
どこか含みのある顔と声だった。
やっぱり、この人は何かある。しかしやはり疑いたくない。アマナスはそう思い、口を
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