第7話 いまのオレは・・?
ピッ…ピッ…ピッ…。
あれ…。
ここはどこだ?
見たことのない天井だ…。
それに機械の音…?
そっか…これは夢だな…。
目を覚ますと…横には美羽の寝顔…。
可愛い寝顔…。
今何時だろ…。
5時か…そろそろ目覚ましがなるな…。
オレはベッドから降り美羽の部屋を後にした…。
またあの匂いだ…。
居間に降りると白いカラスがいた。
「何でいるんだ?」
『キミには伝えておこうと思ってな。』
「オレに?」
『キミが人に戻りたいなら
あと2年じゃ。』
「2年?どういことだ?」
意外と長いな…。
『言葉の通りじゃよ。』
ではな確かに伝えたぞ…。
バサバサッ
カラスは羽根をバタつかせ消えた。
2年…それまでに答えを出せと言うことなのか…?
同じ頃、美羽も夢を見ていた
コタローが別れを告げる夢を…。
ピピピピッ…ピピピピッ…
カチッ…。
「う~ん〜…イヤな夢だったなぁ…。」
「あれ!?コタローがいない。」
「コタロー?」
ドタドタドタ・・・。
「コタロー!?」
美羽が少し慌てた様子で居間に飛び込んできた。
「美羽…?」
いまにも泣き出しそうな顔だった。
「もぉ~居なくなったかと思ったじゃない!」
「何でだよ?」
ぎゅぅ~・・・。
「私の傍から居なくならないでね。」
「わかってるって・・・。」
朝からテンション下がるよな…。
なんか医者から余命宣告されたようなものだった。
「お散歩いこうか・・・。」
あ、それでも散歩は行くのね…。
まあ気分転換にもなるし行くか。
いつものコースを今日は普通に散歩していた。
「今日は走らないんだな?」
「走った方が良いなら走るよ~」
「いや…歩きで良い・・・。」
「あ!」
「どうした?」
「今日は土曜じゃん?お出かけしようか」
「お?デートってやつか?」
散歩を終え出かける準備をしていた。
「どこにいくんだ?」
「いい所!」
「この前ネットで見つけたんだ~。」
良いところってどこだよ・・・。
犬のオレが行ける場所なんて限られてるだろ。
「コタローも一緒にいけるところだよ?」
「よし、準備オッケー」
美羽は本当にデートに行くような服装をしていた。
「ねえ、コタローこの服に見おぼえない?」
服に何て興味もないオレだったが、その時だけはピンと来た。
「その服はオレが美羽にプレゼントしたやつだろ?」
「覚えてたんだ~」
「そりゃ覚えてるよ」
「というか…まだ着れたんだな?」
ゴン!
「いってー・・・。」
「もお・・・コタロー、一言多いよ」
毎日走ってスタイル維持頑張ってたんだな・・・。
「今日は隣町までいくから車でいこうね~。」
え・・・美羽が運転するのか・・・。
いや、運転手は他に居ないからそうなんだろうけど・・・。
ガチャ・・・。
「はい、コタロー乗って」
まじかー・・・。
バタン!キュルル‥ブォーン・・・!
くわばらくわばら・・・。
「はい、到着~。」
って…はやっ!
おお?おしゃれなカフェ・・・。
「いまは犬同伴で入れるお店増えたんだよ~」
ドッグカフェかぁ・・・。
「初めて来たけど良い感じだなぁ」
あたりまえか・・・犬もいないのにこんな店に来ないよな。
「いらっしゃいませ~あいてるお席にどうぞ~」
「メニューもおいしそうだねぇ」
そうだな旨そうなスイーツとかもあるんだな
いつものドッグフードとは一味違うぞ!
「すいませ~ん、このAランチとパンケーキと・・・。」
オレはこの海鮮パスタが食べたい!!
「コタローには・・・米粉のワッフルとハンバーグプレートだね」
犬用に用意されてるメニューは塩分糖分は殆ど使ってないらしい。
安心してお召し上がりくださいだそうだ。
「あれ・・・美羽?」
「え?」
「私だよ私!」
なんだ?新手のオレオレ詐欺か?
あれ…こいつ3年の時のクラスメイトじゃないか
名前は確か・・・進藤だっけ?
「あー…
「久しぶり~何ここで働いてたの?」
「うん、ホントひさしぶりだね~」
「今日は?ワンちゃんとデート?」
「橘くん元気?」
オマエな・・・それ聞くか?
バカすぎだろ!
「・・・・・・。」
「あれ・・・聞いちゃ不味かったかぁ・・・。」
「ううん・・・いいよ別に」
「でもほら、よかったじゃん・・・。」
ガチャン!!
「良かったってどういう意味!?」
「え…。」
「人が亡くなってるのに良かったって!」
「ちょ、ちょっと美羽・・・?」
「もういい注文はキャンセルで・・・いこコタロー」
何だよアイツ・・・。
あぁ・・・せっかくのデートが台無しだ・・・。
バタン!
「はぁ・・・信じらんない」
コンコン!
「ごめん!そういう意味じゃなかったの」
「じゃあ・・・どういう意味!?」
「良かったっていうのは・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・!?」
なんだって・・・。
血の気が引いた・・・。
そんなことがありうるのか・・・?
じゃあ・・・いまのオレは一体・・・?
第8話につづく・・・。
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