第32話 Let's Go 旅館!!!

「えい!!!えい!!!!当たれ!!!!!」


「うおらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

俺は銃のトリガーを引き、弾丸を放つ。


ドバババババババ!!!!!!!!


洞窟のような空間の通り道。

俺と奏音は、宇宙船に乗って、前へと進む。


「どこだ!?悪いモンスターは!!!!!!!」

「どこだろうね〜!」


すると、音とともに、穴の中からピョコンと丸い形のモンスターが現れた。

「いた!!!!!」


その声を奏音が発する頃、モンスターには、俺の放った銃弾(光)が当たっていた。


『ヒット!!』


「よし!!!!!」


_______


「待て待て待て待て…!!!!」


「わくわく!!!」


頂上へと登るにつれてどんどんと離れていく地面。


地面に向かって一気に落ちるアトラクションは初めて乗るわけだが…


ジェットコースターでビビり散らかしていた俺がこのアトラクションに乗るのはさすがに早すぎるのでは?


ガタガタ…という死刑宣告の音。


横にいる奏音は、楽しそうに落下するのをまっている。


「え、エグすぎだろ…!!」


と、次の瞬間、アトラクションは頂上に達し、一気にその座席が一番下まで急降下した。


ほぼ自由落下。


「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


な、なんで俺がこんな目にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!


__________________________________________________


「いや〜今日は楽しかったね〜!!!!」

俺らは夕日と共にUFJを後にし、森崎さんの車の中で、背もたれに体重を掛ける。


「ああ!!!まあ、俺はよってほとんど乗れなかったけど…」

隆一は、少しげんなりしながら言った。


「また行きたいね〜みんなでさ〜」


意外とアズリアもそんなこと言うんだな…


俺は思いながらも、「そういえば、次はどこに?」と森崎さんに聞いた。


運転席にいる森崎さんは、「次は旅館だな〜」と呟くと、俺に森崎さんはスマホをよこした。


スマホの中に写っていたのは、少し古ぼけた、しかしながらも、風情のある温泉付きの旅館の部屋の写真。


「うぉ〜!!!!すごい!!!」

助手席から覗き込んできた隆一が声を上げる。


「すごいでしょ?予約取るの大変だったんだからね〜!」

クチコミには、「ご飯がすごい美味しい!!卓球台もあった!!」などと書かれており、こう見ただけでも、本当に良い旅館のようだ。


「お!みろよ!!これ!!蟹あるぞ!!!!」


「お前って蟹食えるのか?」


「いや?そんなに好きじゃないな。」


え?じゃあさっきのテンションは何なん?


「蟹か〜ビールに合いそうだね〜」


森崎さんはどうやら蟹を食べながらビールを飲むことを予定しているようだ。

でも、あんま酒のツマミにビールって合わないような…?


「森崎さんって酒飲むんですか?」


「そりゃあ、飲んじゃうよ?奏音ちゃんも飲んじゃう?」


「私は未成年だしー…飲むんだったら、オレンジジュースにしちゃおっかな!」


「それはいいね!!こうやってるうちに楽しみになってきたな!よし!!アクセル全開だ!!!!」


そういうと、森崎さんは、少しだけ車のスピードを早くした。


「って!!!!森崎さん!!!ちょっと…車は…ゔぉえ…」

「あ!!!隆一くん大丈夫!?わ、私に吐く!?」


「は、吐かない!!!絶対に吐かない!!!!!」

そんな会話が繰り返され、(直前の会話は特例)俺たちは旅館へとたどり着いたのであった。


__________________________________________________


「うわー!!!!すげー!!!!!!」

外がちょうど暗くなった時。


目の前に広がる大きな空間。

畳が敷かれ、木の板の廊下と、大きな食堂のような場所。


俺らはついに旅館へと辿りついたのであった。


「そんじゃ!!!!お部屋も見に行こー!!」


奏音が言うと、森崎さんから部屋の鍵をもらい、荷物を持って、番号の部屋へと向かった。


________


「それじゃあーオープン!!!!」


ガチャ。


鍵を開けて、部屋の中に入ると、そこには、和式の小綺麗な部屋。

床は畳が敷かれ、その上に座布団と椅子の融合体のような座椅子があった。


「とりあえずどーする〜?」


「じゃあ、私たち温泉入ってこよっかな〜」


俺らは時計をみる。

そこには19時を指す短身。


「もう、こんな時間か…いって_」


すると、俺が言いかけた頃には、既に準備を終わらせ、襖から外に出ていた所だった。


「_って…行ったか。」


「女子は早いね〜」

森崎さんは備えつけられていたコーヒーを入れながら言った。


「ですね〜」


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湯気が立ち、白い肌がタオルの覆われていない部分から露わになる。


少しの冷たい風が露天風呂へと繋がる扉から室内へと流れ込む。

私は、その風を振り切り、外へと出た。


目の前には露天風呂と、夜景。

私はタオルに包まれながらも、アズりんと外の床に踏み出した。


そして、露天風呂の中に入水。


「はぁ〜あったまる〜〜」

とろけた声でアズりんが力を抜かす。


「あったかいね〜」

私も同じようにお風呂に浸かってとろけ声を発する。


「幸せ〜ほんと、隆一くんたちと出会えてよかったな〜」


「え?あーそうだね。じゃなきゃ、こんなに楽しい思い出も無かったもんね!」


すると、アズりんは私の方を一眼見た後に、広角を少しあげた。


「そう言ってもらえて何よりだよ〜」


「ええ?急にどうしたの?」

私は少し笑いを含めながら言った。


「いや〜?別に〜?」


その時、私はあることが頭に思い浮かんだ。

「もしかして…ユリのこと?」


すると、アズりんは私の顔の間反対の方向へと向く。

「いや〜?ユリちゃんは関係ないよ〜?」


多分…アズりんは今も心配してくれてるんだろうな…


「大丈夫。私はもう、大丈夫だよ。」


「本当に?」


「本当。」


「無理してない?」


「無理なんてしてないよ〜!正真正銘!!私は大丈夫だから!」

私はアズりんの背中に向かってそう言うと、アズりんは、私の方向を向き、しっかりと面と面を合わせ、「よかった!」と言った。


「にしても、今日は奏音ちゃん、霧矢くんとどこ行ってたの?」


「えーっとね!色々なところ行ったよー?」


「たとえば?」


「ジェットコースターとか!!」


「おお〜」


「観覧車とか!!」


「おお〜」


アズりんが適度に合いの手を入れながら、私は淡々と話す。


「なんか、男女2人だけで観覧車ってカップルみたいだね〜」


「え、ええ?そうかなあ?別に意識してないんだけどな〜」


「そうなの〜?怪しいな〜」


実際そうだ。私は恋愛にそれほど興味がない。

好きな人とか、カップルとか、恋とか…そういうのは全くもってわからない。


「え〜?じゃあ、霧矢くんとの親密度ってどれくらい?あ、満タン100ね〜」


「え?うーん…そりゃあ、100%に決まってるじゃん!!!」


「そうなの〜?」


「そういえば、アズりんこそどうなの?隆一くんとの親密度とかさ〜」


「私〜?私はねー1000%かな〜親密度〜」


「さーすがカップル〜」


「へへへ〜」

そう言いながら照れるアズりん。


でも、私は恋が何なのか、よくわからない。

まあ、アズりんが幸せそうだったら良いんだけどね〜


私はそう考えながら、夜景を見ながら、温泉を満喫したのであった。



その頃…


「おら!!!!!!」


テーブルの上をピンポン玉が跳ね、ネットの上を超え、そして俺の領域へと入った。

ここで必殺技を俺は発動する。


「エクストリームピンポンラッシュ!!!!!!」


そして俺は思いっきり、隆一陣地の卓球台へとぶつける。


「ドゥわ!?!?」


そのピンポン球は、隆一のラケットにかすることすらなく、場外へと弾き出された。


「は…はっくション!!!!!誰か噂でもしてんのかな?」


「はい隙ありィィィィィィ!!!!!!」

俺は隆一のピンポン球を弾き返して点を入れる。


「弱いな〜何度でお相手してやるぜ?」





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