第29話 文化祭編 メイド喫茶編
「おかえりなさいニャン!ご主人様♡」
俺は可愛い声でそう言った。
フリフリの動きにくいドレスに、猫のカチューシャ。
俺は客として教室に入ってきた隆一に可愛い感じの声で言った。
「え…あ…き、霧矢…?」
「早く座れくださいニャン!!!!!」
俺は威嚇するように、そいつの首を掴んで無理やり椅子に投げ込む。
「注文を決めやがれニャン!」
そして、隆一の顔に向かってメニューを投げつけた。
「うわぁ!!!あぶな!!!!!」
「ゆっくりしていってにゃん!!!!!ご注文はアズリニャンが承るにゃん!!!」
俺はそう言って、俺は教室を出た。
そして、走って料理室へと向かうと、そこには、20個ほど並べられたオムライスのストックと、アズリア、アズサ、奏音の姿。
「アズリア!隆一きやがったぞ!」
「え?本当!?よぉ〜し!行ってきま〜す!!」
そう言うと、速攻でカチューシャを取ってアズリアは全速力で教室を飛び出た。
俺はその風圧を過ぎ去ると、休憩室兼、倉庫の調理室の椅子に座る。
「てか…なんで俺が、やんないといけないんだよ…なんか、無駄にメイド服作られていた時から計画してた?」
俺は、そこら辺も担当しているアズサに鋭い目つきを向ける。
「え、え?な、な、何々?私がわざと計画したみたいな感じぃ?べ、べ、別にこんなはずじゃなかったと思うんだけどなぁ〜?」
あ、確信犯やこいつ…
俺は、そのファンシーな服で、調理室の椅子に座る…
「お前…マジかよ…」
俺はそう言いながら、カチューシャを取った。
「で、でも!!う…うぷっ…か…可愛いよ(笑)」
「奏音笑ってるじゃねぇか!!!!!説得力ねぇよ!!!!」
「い…いや…でも可愛いよ?男だったら惚れるね!!!」
「さっき隆一結構引いてたぞ…?」
やられた…午前の部よ…早く終わってくれ…!!!!
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俺、卜部隆一は困っていた。
それは、メイド喫茶での出来事だった。
まあ、霧矢がメイド姿で出てきたことはまだ全然良い。
でも、この子猫…いや、アズリアが。
俺だけに大サービスをしてくれることが大問題だったのだ。
「はい!隆一くん〜♡あ〜ん」
俺は、周りから集まる視線に少し気を取られながらも、口を開けると、アズリアが、スプーンにすくわれたオムライスを俺の口の中に入れた。
「よくできたにゃん!!ご主人様♡」
するとアズリアが、俺の頭をなでなでしてきた。
立場反対だと思うんだけどなぁ…
俺は、そう思いながらも、アズリアにオムライスを食べさせてもらっていると
「すいませーん。オムライス良いですかー?」
と、一人の他校の男子が、少し赤くなった顔で言ってきた。
「そこの緑の髪の人ー。お願いしますよ〜」
多分…俺にむかついてるのか…リア充を引き離したいとでも思っているのだろうか…
わざわざ指名して注文をした。
別に教室の中には、茜や麗がいると言うのに…
「あ、隆一くん!また後でにゃん!」
すると、アズリアは、両手を可愛らしく、顔の近くで猫の手を揺らした。
そして、その男の方へと向かう。
するとその男は、ニヤついた顔を浮かべる。
「すいませーん。さっきそこの人にやってたのって、僕にもやってもらえませんか?」
「え、えっと…一体どれのことかにゃ〜?」
「さっきのぉ、あーんってやつですよぉ。」
その男は、少し強気になっているのか、眉頭を傾ける。
「ご、ごめんなさいにゃ〜…さっきのはほんのサービスみたいなもので…注文に書かれている物を頼んで欲しいにゃ〜…」
アズリアはその男たちに気まずそうにそう言うと、男は、「じゃあ」と言葉を付けて、話を続けた。
「それじゃあ、僕たちにもぉ、他ので良いのでサービス付けてもらえまあせんかぁ?じゃないと少し不平等ですよねぇ…?」
「え…?」
その、予想外の回答に、アズリアは少し戸惑ったようだったが、アズリアは、「え…えっと…で、できる範囲なら…」と言った。
「じゃあ、そこに立って、目を瞑っててください。だいじょぶでですよぉ!何もしませんからぁ…!!」
男は怪しげに、言った。
「わ…わかりました…」
それに同意するアズリア。
俺は少し怪しく思いながら、オムライスを掬った。
そして、男は、アズリアが目を瞑ったのを確認すると、「そんじゃ、行きますよぉ〜」と言った。
すると…
男はアズリアの胸や、尻に向かって手を伸ばす…
まだ、触れては居ないが、俺は我慢できずに、席を立ち上がり、その男の手を掴む。
そして、
「やめろよ…!!!!!」
強気な一言。
「はぁ?君…誰?さっきから思ってたんだけど…」
男は、少し切れたような口調で、俺に冷たい視線を向ける。
俺よりも高身長。
首には黄金のネックレス。
顔に関しては、まあ…あんまわかんねぇけど、イケメンの部類に入るのかな?
「君、その子の彼氏?」
アズリアは、気になって目を開ける。
「え?りゅ、隆一くん!?ど、どうしたの!?」
「こいつがアズリアの大事な部分を触ろうとしてな…流石に許せなくてな…」
「はぁ?サービスだってその子も言ってたでしょぉ?良いんだよ!!!別にな!!!」
「少女の大事な部分を触ることなんて…俺ですらやったことねぇんだ。お前みたいなやつが触るのは汚れると思うんだが…?」
「へー?みたいな奴がって言った?俺よりも低身長で?いかにも貧相そうで?顔の整っていない奴が?そんなことを入れるのかなぁ?」
「っつ!!!!貴方!!!!」
アズリアは、その男に敵対の色を浮かべた。
そして、それは俺も同じ。
「でも、俺は心だったらお前よりは汚れてない自信はあるぜ?」
1発煽って見せる。
すると…
「へぇ?そう?人の楽しみを邪魔するような奴の方が心は汚れてるんじゃない?」
なんとも、小学生のような返答の仕方。
いや、俺も同じレベルか…
「はぁ?な訳ねぇじゃん!心が汚れてんのはお前だぜ?」
俺と男は睨み合った。
男は拳を鳴らし、俺も連れて拳をパキパキと鳴らす。
「はいはーい!ここではお触りとデレデレはお断りしてまーす!」
と俺と、男の間に猫の服装をした麗がわり入ってきた。
そして、男は、「ッチ」と舌打ちをすると、連れに、「行くぞ」と、一言言うと、背中を向けて、教室を出て行った。
「あいつ…代金…!!!!」
俺は、そう言って、男を追おうとするが
「それはやめておいた方が良かろう!!!」と言いながら、茜が俺の目の前に現れた。
今日も茜は、片目に眼帯をつけ、その眼帯が猫のカチューシャと微妙に合っていない…
「ッ……ふう…そうだな…」
そう言うと、俺は、自分の席に戻り、オムライスにスプーンを突っ込んだ。
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