第20話 再来!!!!王様ゲーム!!!!

大きな一つの木製の机を囲んで、皆んながくじに手を添える。

「「「「「「「「「「それじゃ、いっせーのーで!!!」」」」」」」」」」

その掛け声の元、全員が、くじを一斉に引くと、俺のくじに書かれたのは、7の番号。


ちなみに、1番が王様。


「あ!私王様だ」

そう宣言したのは麗だった。


「おお!!!我が同士よ!!!貴様は何を望む!!!!?」


緊張が走る。

なぜなら王様ゲームとは、ほぼなんでもありのゲーム。


言うなれば、何番と何番がキスとか、言う奴がいるかもしれない可能性があると言うことだからだ。


「うーん…じゃあ、みんなが今何番か、教えてくれる?」


「え?そ、そんなことでいいの!?」

そんなことをしても良いのか?と俺は思いつつ、自分の番号を宣言した…


「次!」


「「「「「「「「「「いっせーのーで!!!!」」」」」」」」」」

次に引くと、俺のくじに書かれていたのは1番だった。


「うお!!俺王様だ!」


「霧矢くんが王様かー!何、命令するのー?」


うーん…こういうのって、案外実際に考えてみるのとか難しいな…

まあ…別に強い何かやりたいこともないし…


「じゃあ、3番一枚服脱げ」


「あ、俺3番だ。」

手を挙げたのはカミナリ。


うぉー。女子に当たったらどうしようとか思ってたぜー…あぶねー!!

まあ、個人的には隆一狙ってたんだけど…


「霧矢のむっつりー!!」

カミナリが服を脱ぎつつ、地味に効く言葉の暴力を振るう。


「だ、黙れ!!!!」



次!!!!!

「「「「「「「「「「いっせーのーで!!!!!」」」」」」」」」」


一気に俺たちはくじを引くと、今度は、「ははは!!!!」という厨二くさい笑い声が聞こえた。


「まさか…」


「左様!!!!!我が今回の王である!!!!!貴様ら!!!平伏せよ!!!!!」


「早く命令言って」


麗に突っ込まれると、「じゃあ」と呟き、言葉を続ける。

「8番がつがいになりたいものを答えよ!!!!」


8番…って俺か…


「えっと俺?」


「き、霧矢!?お、お前、番になりたい奴なんているのかよ!?」


「え?番って何?」


「ま、まあ平たくいって好きな人…とか?」

アズサの解説によって俺は理解する。


要するに茜は好きな人は誰?と言っているのだ。

ああ、そこはちゃんと乙女なのね。


「え?うーん…俺好きな人居ないからなー…」


「え?マジで?」

隆一が敏感に反応した。


まあ確かに入学式の時は奏音のことが好きになってしまった、なんて言ってしまったけど、別に今は友達って感じだしな…


うーん…


「番になりたい者が居ないのであれば、この中で一番、名花と思う者の名前を挙げよ!!!!」


「め、めいか???」

「美人さんのこと」


「ああ、そう言うこと?」


うーん…やっぱりここでは…

前までの情もあったわけだし…


「奏音とか?」


俺がそのことをいうと、男子軍が「おお〜!」と声をあげる。


「え?ほんと?ありがと〜!!私、美人さんだって!」

「わかってるよ〜」


「やっぱり霧矢おめぇわかってるじゃんか!!!」

するとカミナリが俺の背中を叩いた。


「いで」


「ちなみにどこがタイプとかある?」

すると、追い討ちをかけようとしているのか、早川蒼太が問いかける。


「え?うーん…絵になるところとか?」


「絵になる?」


「ああ。奏音を見てると、なんか、何をしても絵になるっていうか…すごく、やってる行動が綺麗というか…なんか、不思議とどんな写真を撮っても良い姿してるんだよ。なんかこう、モデルみたいなさ…?」


「な、なるほど…」


「わ、わかってるじゃーん!!」

なんとなく理解できたのは、アズサだけだったようだ。

さすがは写真部!


次!

「いっせーのーでー!!!!!」


みんなで一斉に引くくじ。

俺の番号は…4番か…


「さてと…誰が王様?」


「誰だ〜?」


「誰〜?」


誰も手を挙げない…

王様はこの中に居るはずなんだけど…


なぜだろうか…

誰一人として、手を挙げなかった…


「え?誰だ?」

俺たちが王様について誰か、各自を疑い始めた時だった。


「ねえねえ!隆一くんの番号って何番?」


アズリアが隆一の隣に行くと、隆一の番号を問う。

そして隆一はくじをアズリアに見せながら、

「俺?俺はだな!5番だ!!アズリアは?」

と答えた。


そして、アズリアはニヤリと笑みを浮かべて、自分のくじを出した。

そこには1番…王様の数字があった…


「それじゃあ、王様の命令…行くよ〜?」


「あ、アズリアが王様だったのか…」


アズリアは、隆一の両手を掴み、そして、まるでどこかのTの文字が好きな兄弟のように手を広げさせる。


「5番が私の椅子になる!」


そう言いつつ、あぐらをかいていた隆一にアズリアが座り込んだ。

「ふぇ!?」とカミナリが声を漏らす…


「き、きゃ〜!!!!!」

そして他の女子もそれを見て、ニヤニヤと笑いながら、笑みを浮かべた。


アズリアは隆一より遥に背が小さいこともあり、ちょうど良い感じに、隆一の中にすっぽりとハマる。


アズリアは「うへへ〜」と言いながら、隆一を見る。

「あ、アズリア!?」


「何?王様の命令は絶対だよ〜?」


「ぐ…そうだな…」

今回は諦めが早いな

と俺が思っていると、隆一は、アズリアの胴体に両腕を回す。


「じゃあ、下克上だ…逃がさねぇぞ…?」


顔が真っ赤になった隆一がアズリアを抱くようにして、そう言うと、急にアズリアの顔も真っ赤になった。


「ヒュ〜!これ新たな恋の始まりなんじゃない?」

静かに蒼太が俺の耳元に呟く。


まあ、そうだろうな…

わかってはいたけど…


次!!!!!!!

「「「「「「「「「「いっせーのーで!!!!!!」」」」」」」」」」


おりゃ!!!

と、俺が引いたくじは4番。


そろそろ当たっても良いよなぁ…

 

「うぉ!!!あったた!!!」

赤く染まったくじを引いたカミナリ。


「カミナリかぁ…」

イマイチ良いことが起きる気がしない…

うん…てかぶっちゃけこいつに王様の座を渡してはいけないのでは…?


「それじゃあ6番全裸!!!!!!」

カミナリの言葉が放たれたと同時に部屋の中に衝撃が走る。


「全裸!?そ、それはセクハラの域だろ!!!」


「な、なんだ…?べ、別にこれが正しい王様の権力の振り回し方だろ…!!!」


こ、こいつ!!!!


「て、てか…6番って誰…?」


すると、眼帯をした少女が手を挙げた。

「わ、我…だ…」


じょ、女子!!!!


「じょ、女子って…さ、さすがにやめた方が良いだろ!!!」

さすが学級委員長!!!!もっと言え言え!!!!


「いいや!!!!女子だからこそ価値があるんだよ!!!!!さあ!!!脱げ!!!脱ぐんだ!!!!!」


「ぐ…ぐぅぅぅぅ…!!!!!!」


「ほらどうした!?お前まさか…自分の小さい胸を見せられ…」


魔王の制裁サタンサンクション!!!!!!」

バゴオオオオオンと天空へ打ち上げられたカミナリ。


宙を舞い、部屋の壁に衝突する。

「ぐはぁ…!!!!が…」


そういうと、カミナリは事切れる。

魔王様は顔を赤くし、気絶したカミナリに一言。

「バカ!!!!!!」


そう言うと、魔王様はその場の座布団に腰を下ろした。


そして、沈黙が流れた。



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