第19話 隆一の16周年アニバーサリー
ピンポーン。
「おにぃちゃーん、霧矢くんが来たよー」
家の中に響いた隆一の妹の声。
「ちょっと待っててくださいね!」
「隆一くんって妹さん居たの?」
「ああ。」
すると、玄関の奥にある階段から隆一が降りてくる。
「それじゃ、手筈通りにね!」
俺は、ポケットに手を突っ込み、あるものを握る。
「りょーかい」
「はいはい。やぁ、諸君!今日の主役…」
バァン!!!!!
次の瞬間、俺は玄関にしゃがみ込み、クラッカーを構える。
そして、俺のしゃがみ込んだ頭の上には、奏音のクラッカー。
そして俺達が一気にクラッカーを引き、爆発させる。
2つ同時の爆発。
「「「「お誕生日、おめでと〜!!!!」」」」
玄関の外から、響く数多の声。
「え?え?」
クラッカーの爆発に腰を抜かす隆一。
玄関の奥で、妹さんが、隆一を見ながら笑っている姿が見えた。
「そんじゃ、おじゃましまーす。」
俺が少し大きな玄関に靴を並べ、家の上に上がる。
「おっじゃまっしまーす!」
隆一の家に上がる、奏音は先週に買った服を身に纏う。
「よろしくたのもー」
青髪、薄目の早川も、家に上がりながら、片付けのし易いクラッカーを隆一にお見舞い。
「はい!チーズ!」
そう言いながら首にぶら下げているカメラで、腰が抜けたままの写真を撮る、アズサ。
「イェーイ」
そしてそれにスライディングで映り込む
「はは!!!我を差し置いて、誕生日会など!!!百年早いわ!!!!」
眼帯をして、黒い髪、黒い瞳、黒いワンピースをしながら、何か、魔法陣を両手の手の甲に赤ペンで刻んでいる、
「うるさいよー」
全てが騒がしい茜にツッコミをしながら、家の中に入る
「やぁ!隆一君!お誕生日おめでとう!!!」
そう言いながら、大きなクラッカー(片付け易い)を爆発させるのは、学級委員長の
総勢8名の人間が、隆一の部屋へと流れ込む。
隆一の自室は、妹と共有しているものなので広く、大勢の人間が遊びに来ても大丈夫なようにされている。
てか、いつ見ても俺の家のリビング位の大きさのあるこの子供部屋は、イイナァァァァァと思ってしまう。
まぁ、逆に何かを取りたい時とかいちいち移動しなくちゃ行けなくて大変そうだけど…
「え?ああ、こんなに来たのね…」
全員が部屋に入ったタイミングで隆一が呟く。
「やっぱり多いほうが良いかなって思ってさー!」
奏音が頭に手の拳を添えて、舌の先を唇から出す。
「いっぱい呼んじゃった☆」
テヘと言いながら隆一を見る。
「「「うぉ〜!」」」
周りの男子からは年相応の反応が聞こえた。
まぁ、普通はそうなるんだろうな…
何故か俺と隆一はそんな反応をすることが無いが…
「ったく…」
「しかしながら、我が同志、アズリアの姿が見えないが…彼女は
こいつ言葉だけで誰かわかるぞ…
「ああ。そういえば」
隆一は、自身のベッドの所へと向かうと、ベッドに掛かった毛布を持ち上げる。
毛布の下からは、丸まったアズリアが出てくる。
「アズリア〜」
隆一が呼びかけると、ゆっくりと瞼を開けるアズリア。
「うぉ…そこにいたんだ!」
そう言いつつアズサは、カメラの中に寝起きのアズリアを収めた。
「んん…おはよ~あれ?なんでみんな居るの〜?」
「ふふ…」
隆一が笑いをこぼしながら、アズリアを持ち上げた。
「え?隆一??」
言葉を失ったカミナリが言葉を唯一発した瞬間だった。
隆一はアズリアを座らせると、「さてと…」と呟く。
「それじゃ!ショータイムだ!!!」
「我は!!!!善良なる悪魔だと言っているだろう!?」
「いいや!!!お前は人狼だ!!!!」
「そう言うならば!!!!我は知っているぞ!!!!!!貴様が!!!!漆黒の騎士だということをな!!!!」
「話進まねー」
カミナリと茜の衝突。
たしかにどっちも怪しい…が。
俺は知っている。
ある情報を!!!!
「えーっと…結局どっち投票するの?」
「「絶対にこいつだ!!!」」
お互いに指を差し合う。
「わ、わかんねぇー!!」
「け、結局どっちなんだろう…」
奏音が困っているのをおきに俺は手を上げる。
「あのぉ…俺占いなんだけどさ…茜、黒。」
沈黙が流れた。
「うぉぉぉぉぁぉぉぉぉ!?!?」
そして、次の瞬間に、茜が焦り混じりの大声を放った。
「それじゃあ、お時間で〜す。怪しいなぁ〜と思う人に投票してね〜」
「おい!!我が同志の麗よ!!!!お前は我のことを信じてくれるよな!?!?」
「え?うーん…」
「ま、待てぇぇぇぇぇ!!!!!!何故そんな微妙そうな顔をする!?!?親友だろうがぁぁぁぁぁ!!!!!」
麗は、うーんと唸りながら
「人狼でも親友は裏切ってくるしなー…まぁ、処刑ということで☆」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!おい!!!学級委員長は我の事を信じてくれるよなぁ!?」
「いや!全く!!!今の俺は茜さんの事をとんでもないペテン師だと思っているぞ!」
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁ!?な、何故……!?」
「はい。茜さんは人狼でした〜めでたしめでたし〜」
茜が机を手で叩いた時、告げられた
絶望する茜。
なぜこんなに彼女は絶望しているのか。
それはバイト組お得意の
「罰ゲーム!!」
これのせいだ。
罰ゲーム。そう。これのせいで終わってるのだ。
まぁ、あんなに絶望してしまうのもたしかにわかる。
まぁ、なんせこの罰ゲームがエグいからな…
「それじゃあ、よろしく!!茜!!!!」
「ぐ…ぐぅ…!!!わ、我に恥などはない!!!行くぞ!!!!」
「うぉぉぉぉ!!!!!」
男子が喜びの声を上げた。
まぁ、無理もないか。
「あなたの事…独り占めしたいな…♡」
頬を赤くして言い放つ茜。
「亞亞亞亞亞亞亞!!!!!!!く、くそぉぉぉぉぉぉ!!!!!く、黒歴史確定じゃないかぁあああああああ亞亞亞亞亞亞亞!!!!!!!!」
え?厨二病は黒歴史じゃないの!?
「ふぉふぉふぉふぉふぉふぉ!!!!!!!!」
一人だけ、喜ぶカミナリ。
少し笑い方が気持ち悪いな…
「可愛いな〜!!!やっぱり美少女が言うセリフは格別だな!!!!」
「わわわわわ、我の事を美少女だと!?ふ、ふふ、ふざけてるのか!?」
万沢でもなさそうなその顔。
それに釣られて他の人たちも笑う。
「おいおいww顔赤くなってるぞ!」
「う、五月蝿いぞ!!!!黙れ!!!!」
「ははは!!!さあてと、次は何する?王様ゲームとかでもするか?」
隆一、それはお前が餌食になるだけなのでは…????
「あ!良いね良いね〜王様ゲームしよ〜」
妙に敏感に反応するアズリア。
あ、こいつ狙ってやがるな…
「お、王様ゲーム?」
「なんだ?知らないのか洋大。王様ゲームってのは、まず最初にくじ引きで王様を決めて、その王様の言うことは絶対に聞かないといけないってゲームなんだ!!!」
「な、なんだと…!?そ、それって学級の仕事押し付けるのあり?」
「なしで」
「うわああああああ!!!!!!!」
どんだけ切羽詰まってんだよ…
ちなみにもう少しで文化祭です。
乞うご期待!!!!
早川蒼太のビジュ↓
https://kakuyomu.jp/users/Worstgift37564/news/16818093085517039127
唐沢雷のビジュ↓
https://kakuyomu.jp/users/Worstgift37564/news/16818093085517184121
高野洋大のビジュ↓
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黒田茜のビジュ↓
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渡邉麗のビジュ↓
https://kakuyomu.jp/users/Worstgift37564/news/16818093085517394254
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