ストラップ

天川裕司

ストラップ

タイトル:(仮)ストラップ


▼登場人物

●夢川美春(ゆめかわ みはる):女性。20歳。女子大生。

●掛川孝太(かけがわ こうた):男性。20歳。美春の彼氏。短気。

●川田英博(かわた ひでひろ):男性。20歳。幸子が好き。

●香川友紀(かがわ とものり):男性。20歳。幸子の彼氏。

●乙葉幸子(おとは ゆきこ):女性。20歳。美人。


▼場所設定

●大学:一般的な私立大学のイメージでOKです。

●街中:必要ならで一般的なイメージでお願いします。

●孝太と友紀のアパート:どちらも一般的なイメージでOKです。


NAは夢川美春でよろしくお願いいたします。

(イントロ+メインシナリオ+解説:ト書き・記号含め=3595字)


イントロ〜


皆さんこんにちは。

皆さんは恋愛に悩んだり

三角関係に悩んだりした事はありますか?

今回はある友人関係・恋愛関係にまつわる意味怖のお話。


メインシナリオ〜


私の名前は夢川美春。

20歳の女子大生だ。


私には今彼氏がいて、名前は孝太。

私と孝太の共通の友達に

川田君、友紀君、幸子の3人がいる。


そして幸子は友紀君と今付き合ってるんだ。


突然だが私は今、彼氏と上手くいってない。


孝太「どうしてお前はそう疑う事ばっかりするんだよ!」


美春「だってアンタいつも幸子とばっかり一緒にいるじゃない!」


孝太はもともと幸子の事が好きだった。

もう結構前の事だが孝太は幸子に告白し

見事にフラれたあと私と付き合った。


幸子は綺麗だ。私は地味。

「女で受けた傷は女で癒す」なんて言葉があるけど、

孝太もきっとそんな感じで私と付き合ったのかな…


ト書き〈トラブル〉


そんな時、1つトラブルが起きた。


友紀「お前いい加減にしろよな!」


川田「うるせえ!俺の邪魔すんじゃねーよ!」


川田君が何かと幸子に言い寄るようになり、

その挙句、

「友紀なんかやめて俺と付き合え!」

みたいな事を言い出したのだ。


幸子「きゃあ!」


友紀「てめえ!」


川田君は友紀君に思いきり殴られた。

でも川田君はそれでも怯まず…


川田「ケッ!俺は諦めねぇからな!絶対幸子を俺のモノにしてやる」


そう言って立ち去った。


孝太「何なんだよあいつ…。大丈夫か幸子?」


幸子「う、うん…」


川田君はそれからすっかり

幸子のストーカーのようになってしまった。

大学にも来ず、幸子の周りをちょくちょくウロつき始めた。


まさか川田君がこんな性格の持ち主だったとは。

川田君がこれ以上何かしてきたらすぐ警察に通報しよう…


私達はそう言い合った。


ト書き〈失踪?〉


それから数週間後、事件が起きた。


(電話)


美春「え?!幸子が居なくなったって?」


友紀「そうなんだよ!どこ探しても居ねぇんだ!」


美春「警察には言ったの?」


友紀「もちろんだよ!今捜索してもらってる所!」


驚いた。

幸子が居なくなったと言う。


美春「そんな…幸子が…」


電話を終えた私は、

少し前に幸子と一緒に買ったスマホのストラップを見た。


とても小さなハートのシールが付けられてある。

可愛いストラップだったから

そのとき幸子と一緒にこのハートのシールを貼ったのだ。


その時みんなも一緒にいて、

「女ってそう言うの好きだよなぁ」

なんて言われた。


それから孝太のアパートに

私と友紀君の3人で集まった。


孝太「まだ見つかんねぇのか彼女?」


友紀「ああ。このあと少ししてまた警察から連絡来る事になってるけど…はぁ。いったいどこ行っちまったんだよぉ幸子ぉ…」


その時…


孝太「もしかして、あいつじゃねぇか?」


友紀「…え?」


孝太「川田だよ!あいつずっと大学来てねぇし、最近も幸子の周りウロチョロしてたんだろ?」


友紀「ああ、確かにな。もしあいつだったら俺、あいつを八つ裂きにしてやるよ。そのこと俺も警察に話しといたから、警察は川田の行方も追ってんだ」


孝太「そうなのか?」


友紀「ああ。あいつが居なくなった時、俺もお前と同じように真っ先に川田のこと考えたからな」


とにかく早く川田君が警察に捕まってくれる事、

そして幸子が見つかる事を私達は祈り願った。


ト書き〈疑惑〉


友紀「そろそろ俺帰るわ。また警察行かなきゃなんねぇし」


孝太「あ、ああ」


そして友紀君は帰った。

それから少しして、孝太の携帯が鳴った。


美春「え、非通知?」


丁度そのとき孝太はトイレに行ってた。

鳴ってる携帯を横目にしながら、私はもう1つ、

信じられない物を目にしてしまった。


美春「こ、これって…」


よく見ると孝太の携帯のストラップ、

幸子が付けていたストラップと全く同じ物。


実はあの時、みんな同じストラップを買っていた。

でもハートのシールを付けていたのは私と幸子だけ。


そのハートのシールが、

孝太の携帯ストラップにしっかり付いている。


美春「な、なんで…も、もしかして…」


このハートのシールはごく小さな物。

その状況から私は恐ろしい妄想を掻き立てた。


「もしかしたら孝太が幸子を…」


でも孝太は「あれ?なんだこれ?気づかんかったわ」

と言ったきり、私の訊く事にはてんでまともに答えない。


そしてついに口論になってしまった。


美春「やっぱり幸子の事が忘れられなくて!また会いに行ってたんじゃない!?幸子キレイだもんね私と違って!」


孝太「何言ってんだよお前!いい加減にしろよ!」


そして更にエスカレートし…


孝太「てめぇふざけんなよこの野郎!もうぶっ殺すぞ!」


美春「はっ…!」


私はその時、思いきり恐怖した。

「私は今もしかしたら殺人犯と口論してる」

この恐怖が先立ってしまったから。


私はすぐに孝太の部屋を飛び出て、

「待てよ!」と叫ぶ孝太の声も省みず、

そのまま走って逃げた。


そして何となく不安だったから友紀君に電話をし、

それから友紀君のアパートへ行った。


ト書き〈疑惑2〉


友紀「だ、大丈夫かよ?」


美春「ハァハァ、う、うん!ごめんね急に来ちゃって」


友紀君は落ち着くまで部屋に居たら良いと言ってくれた。


友紀「まぁあいつ時々カッとなる癖あるからな。実はちょっとまえ喫茶店であいつと会っててさ、悩みとか散々聞かされてたよ。そん時もあいつ感情が昂って、携帯テーブルにバンって投げつけた後、トイレに何度も駆け込んでてよ」


美春「トイレ?」


友紀「ん、ああ。あいつそうやって感情昂る時はどっか1人になれる所へ行ってさ、頭冷やして戻ってくるんだよ。まぁ昔からそう言う癖あったからねあいつ」


美春「ふぅん、そうだったんだ」


友紀君と孝太は実は高校の時からの友達。

だからお互いの事をよく知っていたのだろう。


私はあのストラップの事をなかなか言い出せなかった。


2人の友情を割く事になるかとも思ったし、

そうする事で私の孝太に対する疑惑が

確信に変わってしまう?…とも思ったから。


友紀「あ、ちょうど今コンビニ行こうと思ってたんだけどさ、何か要る?」


美春「え?あ、いや別に。あ、じゃぁ私も一緒に行こうか」


友紀「いいよ部屋でゆっくりしてて。じゃあ適当に買って来るわ」


そう言って友紀君は一旦部屋を出て行った。


テーブルの上には友紀君が

さっきまで使ってたパソコンが置いてある。


私はちょっといたずら心が出てしまい、

そのパソコンを覗いてみた。

ピクチャを見てみると私達がこれまで撮ってきた

スナップ写真なんかが保存されている。


美春「へぇ、友紀君って案外几帳面なんだ。…ん、これ何だろ?」


ピクチャーの中にシークレットと書かれたファイルがあった。


ファイルブロックされてあり、

私は又ちょっと冒険心が出てしまい

友紀君の誕生日を入れてみた。


すると開いた!

でもそこで私が見たものは…


美春「え…」


(ワード内容:セリフの形で)


友紀「綺麗なバラには棘がある。…幸子、殺してやる殺してやる殺してやる…」


ワード資料が1つだけ保存されてあり、

そこにはそう書かれてあった。


解説〜


元々は仲良し5人グループ。

でも川田がある日、幸子にちょっかいを出すようになり、

その挙句ストーカーにまでなり果てました。


その直後の幸子の失踪。


でも本当に失踪していたのでしょうか?

いいえ、そうではありません。


幸子は確かに居なくなっていましたが、

それは幸子が自発的にどこかへ行った…

と言うものではなく、殺されていたからです。


その犯人は、友紀でした。

川田が皆の前に姿を見せなくなったのは唯の偶然です。


1つ目のヒントは携帯ストラップ。

スマホに付けられたストラップですが、

美春と幸子は自分達のストラップに

ハートのシールを付けていました。


それはごく小さなもので、

おそらく誰かに付けられても気づかない程度

だったのでしょう。


そのシールが孝太のストラップに付いてあるのを見、

美春は孝太を疑います。

「もしかしたら幸子の失踪事件に関係してるんじゃないか?」と。


孝太はもともと幸子が好きだったので、

この線もなきにしもあらず。


でも孝太は失踪事件には無関係。

孝太のストラップに

ハートのシールを付けていたのは友紀でした。


幸子を殺害した時、友紀は幸子の携帯も奪っていました。

その時ハートのシールを剥がし、それを孝太の携帯に付けたのです。


そうする事で美春に疑惑を持たせる為。


非通知で電話をかけたのも友紀。

それで美春が携帯にまず注目すると思ったから。


シールを付けたタイミングはあの喫茶店。

孝太が携帯をテーブルに置いてトイレ駆け込んでいた時でした。


そして友紀は警察に通報などしてません。

全ては友紀による偽装だったのです。


更にラストの場面から見ると、

友紀は幸子を恨んでいた事が分かります。

恋のもつれで大喧嘩でもしてしまったのでしょう。


その恨みを書き綴ったのが

あのシークレットファイルに保存されていたワード資料。


それを書き終えてから

幸子を殺害していたのでしょうね。


真相を知った美春はこの後どうなったでしょう?

友紀がコンビニへ行ってる間に逃げてたら良いのですが。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=500VgOCAw7k&t=279s

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ストラップ 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ