TSしたとき、一番頼りになるのはやはり家族
俺は突然のことにパニックになっていた。
「な、なんで俺が女に⁉︎なんで!?」
「落ち着け……」
「兄貴!どうしよう!戸籍とかどうなるんだ!?」
「落ち着け!!!」
パニックになっていた俺だが兄貴に大きな声でなんとか冷静になれた。
「ご、ごめん兄貴…。でもどうすんの?こんな状態で。学校に行かないわけにはいかないでしょ。」
「安心しろ。父さんには俺が言っておく。父さんなら諸々の問題はなんとかなる。先生には俺が電話で言うから。」
と言った。父さんすげぇな…。父さんの仕事知らないけど。
学校の先生には兄貴が言ってくれるらしいし普通に学校に行っても大丈夫か。
今回の件といい、兄貴には世話になりすぎだな。
「兄貴本当にありがとう。また今度兄貴に今までのお礼も込めてなんかプレゼントするよ。」
「気持ちだけで十分だ。それより、お前服はどうするんだ?」
兄貴は俺のプレゼンあげる発言にさっさと答え、大事なことを聞いてきた。
服をどうするか問題である。だが、実はこれには俺の中ではもう答えは決まっている。
「今までの服を着るよ。流石に下は長すぎて俺が持っている男物は履けないから別の物になるけど。」
俺は上は今まで通りの服を着ることにした。何故かというとうちの高校は下はなんでもいいのだが上は制服じゃないとダメなのだ。
校則でもあるため、破ると俺の成績が悪くなる。だから制服以外でいくというのは無しだ。
ちなみに俺の身長は今の美少女状態よりも30cm高い183cmだ。モブの癖に結構高いので廊下を歩く時も変に目立ってしまう。
制服も男の時の身長に合わせているため、絶対に丈があわない。つまり今の状態で着るといわゆる萌え袖とやらになるのだ。
まあ別にそこまで気にしているわけではないので、着ていこうと思う。問題は下だが…。
「確か母さんの中学生時代のショーパンがあるはずだ。それを着ていけ。」
「勝手に使って良いのか?」
「大丈夫だ。母さんは服を使われて気にするような人じゃない。むしろ着せようとするタイプだ。」
「そ、そうか…」
母さんってもしかしたらやばい人かもしれない。まあそれは置いといて
登校しなければいけない時間が迫ってきたのでそろそろ服を着て朝ごはんを食べる。
前に言った通りうちの高校は自分がとった授業に出るだけで良いのだが、俺がとっていふ授業は基本的に午前に集中しているので自然と俺も朝から登校することになる。
ちなみに兄貴は昼から授業なので朝はゆっくりしている。なので朝ご飯も兄貴が作ってくれる。
「とりあえず朝ご飯食べない?」
「そうするか、ほい」
そう言って兄貴が俺より先に起きて作った朝ご飯を俺に渡してくれる。あんこがぬっている食パンに焼いたウィンナーと目玉焼き。そしてコーヒーだ。めっちゃ美味い。
(ちなみに兄貴はウィンナー以外は自分で作ってるらしい)
俺は朝ご飯を普通にもぐもぐ食べていたが、折角TSしたんだから少しいたずらをしてみようと思った。
ターゲットは勿論兄貴だ。
俺は義妹物のラブコメをよく読んでいるのだが、そこでよく描かれている、義妹が義兄を堕としにいく作戦の一つに相手をとにかく褒めると言うものがある。
これを俺も兄貴に対してやってみようと思う。兄貴は堅物だが意外と褒められることに慣れてないので絶対照れると思う。
呼び方も変えるか。兄貴じゃなくてお兄ちゃんって呼ぼう。
と、いたずらの内容も決まったので早速決行。
「お兄ちゃん♪これめっちゃ美味しいよ!」
「ああそうか…ん?お兄ちゃん?」
「?なんか変なことでも言ったかな?」
「お前いつもは兄貴って…」
「なんのことぉ~~?鈴はいつもお兄ちゃん呼びだけど?」
「お前名前進だろ…。」
やべっ、演技に気合い入れすぎて今読んでいるラブコメ漫画のヒロインの名前使っちゃった。まあいいか。
と俺がいたずらを続けようと思っていると
「いたずらするんじゃない。あとお前時間大丈夫か?」
「ふぇ?」
俺が時計を見ると、家を出なければいけない時間まであと十分ぐらいの時刻だった。
「うわっ!やばい遅刻する!ごめん兄貴いたずらして!お詫びは帰ってからするから!
と、とりあえず着替えないと!」
そう言って俺は自分の部屋に急いで向かう。
しかし急いでたから俺は気づかなかった。
後ろで兄貴が小さな声で
「天使すぎる…俺の弟…いや妹…」とか言ってたことに…
あの後俺は急いで着替え、荷物を持ち玄関へ向かう。そして玄関につき、兄貴に
「じゃあ兄貴、いってきまーす!」
と言う。
「おう、気をつけてな。」
兄貴がこう返答してれたあと、俺は家から出た。
(友共がどんな反応をするか楽しみだ!)
ワクワクしながら俺は学校に向かう。
このことで俺の平穏な生活が崩れさるということを知らずに………。
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