TS美少女のごく普通の学園生活
散歩大好き人間
TS美少女。爆誕。
転校編
TSだと⁉︎
俺の名前は志道進。
どこにでもいる普通の高校生。
と言っても他の同じ世代よりは少し頭がいい。なので、県でも三番目ぐらいの偏差値の滝宮高校に入っている。
俺はいわゆるモブ高校生で、恋愛だとか成り上がりとかそういうのとは縁の遠いやつだ。
俺がいる『県立滝宮高校』では二つのラブコメになっても良いほどの二つの生徒がいる。
そのうちの1人が、佐藤海斗だ。
優しく高身長イケメンで、さらに文武両道。ラブコメ主人公によくある鈍感属性まである。さらには美少女幼馴染と昔の因縁あり美少女転校生持ち。
こんな条件じゃそりゃラブコメになるよね。
2人目が志道剛だ。
佐藤とは反対に厳しく堅物イケメンで勉強ガチ勢だ。生徒会長でもある。だがこちらもまた、ラブコメ主人公によくある鈍感属性持ちだ。更には生意気系美少女後輩がいる。羨ましい。
大体の方はわかっただろうがこの志道剛と俺は兄弟だ。兄弟仲もいい。
だがいつも思うのだが、何故親も一緒なのにこうも顔が違ってくるのか。理解不能である。
神は俺を見放したのだろうか。
まあそれは置いといて。
その2人や他の彼氏彼女持ちの高校生が学校でもイチャイチャしているときに俺や俺みたいな平凡な生徒は何してるかというと……。
「いっせーので三!……よっしゃ俺の勝ちだ!お前ジュース奢りな!」
「くっそ……、いけると思ったんだけどなぁ。」
「はっ!まあ俺はプロだからな。仕方ないぞ」
「黙れよ!これにプロとかねえだろうが!」
そう。
………親指ゲームだ。
賢いやつは勉強する?本好きは図書室に行く?オタクは推しの話をする?
ハハッ。俺らはそれのどれにも当てはまってないのさ。
だから何もいらずすぐにできる親指ゲームは良い遊び方法だったのだ。
……リア充どもから憐れみの目で見られるのは腹が立つが。
[キーンコーンカーンコーン}
午後の始まりを知らせるチャイムがなる。俺らの高校は大学のようなもので選択科目の授業に出席しとけばいいので自分の授業がなければ帰って良いのだ。
俺もすでに午前中で自分の授業が終わっていたので帰宅する。
俺の友…山内も同じくだ。帰路も同じ方向だ。
「帰ろうぜ。」
「おう。」
俺らはさっさと準備をして帰路についた。
————————————————————
帰路の途中。
突然山内が話しかけてきた。
「なあ進お前さ、」
「おう」
「TSって知ってるか?」
「?いや知らないな。」
「知らねえのか…。俺も詳しくは説明できんが簡単に説明すると性転換のことだな。今一部の層で結構流行ってるんだぜ」
「へぇ」
「興味ないのか?美少女になってモテモテになりたくないのか?」
「俺は別にハーレムを築きたいわけでもねぇよ。1人の女性と普通に付き合って普通の生活がしたいだけだ。」
「相変わらずだな~~。お前のその平穏な生活への執着は。」
「平穏な生活こそ至上だ。顔を無料で変えれますと言われても今の顔よりもう少しイケメンになるぐらいで良い。目立ちたくないからな。」
「で?なんでこんな話をしたんだ?」
「あーー、いや。なんとなくだよ。なんとなく。」
「ふーん……」
少し怪しいが……まあ良いか。
そんな会話があったところから少し歩いたところで
「俺こっちだから。じゃあな、また明日。」
「おう。また明日。」
俺たちは別れた。
家に帰ると、兄貴の靴だけあった。両親は忙しく滅多に家にかえってはこない。なので小さい頃から兄は俺の親代わりでもあった。
「兄貴ただいま。」
「……ああ。おかえり。」
それだけで俺らの会話は終了だ。兄貴は元々喋るタイプじゃないし、それに今兄貴は難しい顔をしていた。こういう時は大体不機嫌な時にしか見せない。
おそらく、生意気後輩におちょくられているんだろうが………ここで変に声をかけるとどんな恐ろしい目に合うか分からないのでかけないことにした。
(兄貴はキレるとマジで怖いのである。)
「風呂入ってくる」
「……」コクッ
俺は風呂に向かいシャワーだけして風呂から出てきた。
「風呂出たよー」
「……」コクッ
そっから二時間、2人でリビングでゴロゴロし、二時間経ったころ
「寝るわ。おやすみ。」
と俺は眠くなってきたので兄貴におやすみという。
「……」コクッ
兄貴も無言でおやすみと言った。
そして俺は部屋に向かいベッドに潜って目を瞑った。
寝る前に俺は友の言葉をふと思い出していた。
(TS……か。)
昼間は「興味ない」みたいなこと言ったが平穏な生活が送られるのならば…。
(なってみてもいいかな)
そんなことを考えながら俺は眠りについた。
————————————————————
朝になった。
俺はいつも通り6時に起きる。
「ふわぁ~ねみぃー」
さあ今日まで頑張るぞ…ってん?
なんか声が……高くなってないか?
「気のせいか?」
だが何度声を上げても声は高いままだ。
まあ喉の調子でも悪いのかと思っていると、俺を起こしにきたのか兄貴がやってきた。
「…おい朝だzってお前..誰だ?」
「は?志道進、兄貴の弟だが。」
兄貴も疲れているのか、俺の姿を見た瞬間変なことを言ってきた。弟の顔を忘れるなんてな。
「じゃあ本人と俺にしかわからないことを聞くぞ。俺の好きな時間は?」
「…午後9時。」
「……本物か。お前は進なのか。」
「そうだよ。さっきからそう言ってるじゃないか。」
「……進。とりあえずお前は鏡を見ろ。
「はぁ?なんでだ「いいから」…はい。」
そうして俺は鏡を見る。そこに写っていたのはいつもの俺———ではなく。
「だ、誰だよこれ…」
「……お前だよ」ハァ
身長153cmほどの金髪貧乳美少女だった。
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