1/fたち



今僕の目の前にある

小さな小さなこの火が


ぱちぱち、と燃えて

つめたかった僕の頬を

不思議そうに撫でる


この火がきえないように

できることなら 

とわに

薪をくべっていたいのに


僕は

わきまえなくては ならないから


屋根にも薪にもなれないけれど


その火がきえそうなそんな日は


きっとどうか

僕の火を

うけとってもらえますように

そうやって

僕は僕を燃やし続ける


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童話『飴粒カラコロ』より

僕のさせない傘の誓い




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Rain Thomasonの調べ 雨宮テウ @teurain

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