さんぽみちはオルゴォル



陽をたっぷり堪能した

待遇に満足している猫の腹の毛並みのような

キラキラと柔らかくそよぐ川面を横目に


橋を渡っていた


夏の青空に浮かぶ綿菓子が

ぽつりぽつりととけてしまったのかい

あついものねぇ


ちがうちがう、狐の嫁入りを

知らないの?


線路沿いをまっすぐ歩いていた僕に

アゲハの模様の小ぶりの蝶々が

ひらひらと

これまた柔らかくからんでくるのだ


ぶつかってしまうよ


と声をかけても

君は


そうかな、と

ご機嫌に

歩く僕の周りを

ひらひらくるくる舞うのだ


狐の嫁入り、ね。

知っているさ。


そっか、嫁入りしているのか、

もう少し、うちにいてもいいんだよ


なんて、思われながら

祝福される愛おしい

お狐さんなのだろうな


さぁ

嵐がやってくるよ

宿をお探し

ちいさな なつあげは

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