鏡
きぬよ、たまよ、
ごはんをおたべ
かわいいねぇ
綺麗な更紗、赤がなんて愛らしい
『『わかっていないわ、にんげんは』』
『わたしが赤いんじゃない、水が青いのよ』
『いいえ、わたしがとびきり赤いのよ』
『青のおかげでわたしは赤いのよ』
『ちがうわ、わたしの赤が
青を魅せているのよ』
今日も小さな2人は
小さな大事な議論を致します。
きぬよ、たまよ、
今日はお水を変えようね
かわいいねぇ
優雅だねぇ
『『わかっていないわ、にんげんは』』
『いつも名前を間違えるのだから』
『わたしがきぬよで』
『わたしがたまよよ』
『『しかたないんだから、にんげんは』』
たまよ、きぬよ、
今日もかわいい姿をありがとう
おやすみ
『私思うの』
『私もよ』
『『にんげん、あなたもとてもかわいいわ』』
『よく眠るのよ』
『明日もまた』
『『どうか私たちを愛でていて』』
鉢の中から
可愛い、優雅なふたりが
にんげんを愛でている
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童話『なつやすみ、かおる』より
祖父の愛した更紗の金魚
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