淡く鮮烈なめざめ

ありきたりな

私の名を

あなたは『美しい響きだ』と

そう言った。


ありきたりな、音。

ありふれた、名前の音。


そう気にもとめていなかったのに

いまさら

こんなにも思い知るなんて。


一生のうちで

一番鼓膜に響くであろうその音は


いつだって

愛が込められて響いていたこと。

思いが何度も込められていたこと。


そんな特別な音が


ありきたりなわけがなかったのに。


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童話『オパール』より

貝殻のなみだ

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