白檀の香りがする

じいちゃんの机の引き出し

宝物で溢れた引き出し


僕はなつやすみの最後に

じいちゃんがいつも

1日の終わりに閉めていた引き出しを

そっとひいた。

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きみは私のたからものです

愛しくて愛しくてたまりません

きみはたくさんの人に愛される子です

でもそれがわからない日もあるかもしれません


きみを傷つけたり苦しめていい人なんて

この世には1人もいません

きみが他人を傷つけたり苦しめたりしないのと同じです

だからきみを大切にしてくれない人に

きみも優しい気持ちを

分け続けないでいいのです


きみを大切に思ってくれる人を

きみも大切にしてください


きみが笑う顔は

私をとても幸せにしてくれます


きみの泣き顔は

私を必要としていることを教えてくれます


怒ったきみは、

もっとぼくを信じて!と伝えてくれます


なにもかもが、たからものなのです


沢山笑顔が溢れる人生になりますように


良いこと嬉しいことをきみは笑顔で

みんなに幸せとして分けてあげられます


辛いこと苦しいこと悲しいことは、

1人で抱え込まなくていいのです

信じて誰かに打ち明けてください

あなたの力になりたい人が沢山います


もしも私たちの言葉が、教えが

あなたの人生を苦しめる時は

その言葉や考えは迷わず捨てることです


きみは見つける力があります

迷った時に選べる道を沢山見つけ

そしてどの道を進んだら良いか

見極める力があります


どんな時も

きみが幸せだと思える場所に繋がるものを

選べますように



言葉を話せない動物や、

小さな命は優しく撫でるのです

あなたをたくさんの手が

優しく撫でてくれているようにです



いつもきみを見守らせてください

だいすきです、

この星、私らの腕の中

生まれてきてくれて

ありがとう

幸せです

幸せなんです



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童話『なつやすみ、かおる』より

祖父の部屋の引き出しから

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