第10話 狭めて

俺ら考えることおんなじだな、

ここまで来たら行けるとこまで……

 楽しくなった俺らは退くなんて考えはどっかに行ってしまったようだ。


「てかこれがもしそうなら次の場所って分かるかもしんねぇ……」

 確かに、だいたいの方角や地区は絞れるけど北側の地区は南側よりも公園の数が倍くらいある。うちの高校側に絞ってもかなり多い……いや、待てよ

「ちょ、ペン貸して」

「ん?」

 半ば強引に凌空からペンを取り2つの公園にマークした。

「俺の予想でしかないけど、この2つのどっちかなんじゃないかと思ってる」

 俺がマークした場所は俺らが通う高校に近い北側の公園2つだった。

「え、でもその2つの少し下にもう1個公園あるじゃん」

 マークした公園の若干南側にもう1つ大きめの公園がある。言いたいことは分からなくもない…

「そこはないと思とる」

「なんで?」

「大きすぎるから」

「?」

「事件が起きた公園はそこまで広くないんだ」

「……」

 ちょっと自分でもふわふわしてるのはわかるけど今思い付いたことを話した。雨の日だと犯人が逃げる際足跡が残る可能性があること。狭めの公園だと比較的短時間で足跡を消したりしやすいこと。凶器を事前に仕込んでるなら狭めの公園の方が隠した場所もわかるしターゲットに近づくまでの時短につながり不意打ちしやすいこと。

「……!何かと犯人側の都合がいいのか!」

「層総草僧」

 まぁあくまで俺の予想だけどな、と付け足した。

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