第6話 踏み込みの契機
「さて、話を戻すか」
カチャとフォークを机に置き口を開いた。
「俺、この連続殺人、何か裏があると思ってる。」
、裏…?復讐、とかか?関係性があるようにはあまり見えなかったけど……
あ、このケーキうま
「共有点があんまない事件なんだけどちょっと角度を変えて考えたら小さい頃じーちゃんから教えてもらった噺があって………」
その話がこうだ。
山の神様は毎月7のつく日に木の数を数える風習がある。木は新しく生えて育ったり枯れて倒れたりと本数が変わってくる。だから本数が以前と違っても驚くことはないらしい。神様が数を数えるときに人が迷い混んでしまうと木と間違えられて数えられてしまうらしい。その人は2度と現世には帰れなくなってしまう。
「ここまでで何か気づかん?」
「えっ、聞く限り誘拐事件とかの方がしっくりこないか?とは思った」
「俺は「2度と現世には帰れなくなってしまう」は命として捉えてる。そう考えたらこの話は関係している可能性は0じゃない」
それはそう。手に持ってたアイスティーを口に運んで「憶測だけど」と説明を再開した。
「俺が重要としたのは木を数える日だ。『毎月7日』じゃなく『7のつく日』に数えている」
「、あっ」
『7のつく日』つまり、7日、17日、27日。藤岡が殺されたのは5月27日、五橋は6月17日。そしてさっきのニュースに出てきた男の人は昨夜、つまり6月27日。
「犯人は7のつく日に動いている、」
「そうなんだ!だから3人を殺ったのは同一人物で間違いない!」
……それならおかしい。1つの疑問が浮かんだ。藤岡が5月27日、五橋が6月17日なら6月7日が空いている。朝30分くらいしかニュースは見てないし新聞も読まないけどその日に誰かが死んだ話は覚えが無かっ…
「あったんだよコレが」
声出てたか?
「顔に出てるぞ」
エスパーかこいつ。
「まぁちょっと待ってて」
凌空はスッと部屋を抜けたと思いきや新聞を持ってすぐに戻ってきた。バサッと広げとあるページを指差した。そこは赤ペンで囲まれており『女子高生、下校中に転落死』という見出しで事故の記載がされていた。内容を簡単にまとめると、隣の高校の2年生の如月樹が下校中、東雲公園付近の石階段から落ちて後頭部を強打し死亡した。石階段は段数が多く1段1段が小さいため頂上付近で足を踏み外し頭から転落したと警察は見ている。また、激しい雨に加え近辺の街頭は点滅して薄暗い状態であったことも要因とした。
「よく見つけたな。」
「母さんがこのこと言ってて忘れそうだからペンで囲っといた」
「これ、ニュースで軽く見たけど事故で片付いたんじゃ...あ、」
新聞の日付は6月8日。事故については「昨日」と書かれていた。つまり彼女は、、、
「、ほーん」
事故に、ねぇ……もしかしたらまだ…
チラリと凌空を見て口角が上がった口を開いた。
まだチャンスはあるかもしれない。片足踏み込んだんだ。引き返してもいいがつまらない。
チラリと凌空を見て口角が上がった口を開いた。
「凌空」
「何?」
「ワンチャン俺らで犯人捕まえれんじゃね?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます