第8話 マリアのデート(ダイジェスト)

「んん‥」

時刻は午前2時半。予定通り起きられたわ。


昨日帰宅すると、程なくしてマリアが飛び込んできた。

「ユーミ!聞いて~」

「おかえり、マリア。デートどうだった?」

「楽しかった~!猫とも仲良くなったしね、ご飯も美味しかった!お買い物はできなかったけど、次の楽しみができたわ!」


「そうなんだ、良かったわね!次の約束もしたなら、大分いい感じなんじゃないの~?」

やっぱり幾つになっても恋バナは楽しいわ~♡


「えっとね、正確に言うと次の約束はしてない!順番が空いたら、また誘ってやってもいいって言ってたから、順番待ちしてるんだ~」

「‥順番待ち?どういうこと?」

なんか雲行きが怪しくなってきたような気がするのは、気のせいかしら‥?


「なんかぁ、メルス君て超かっこいいの!なんて言うんだろ、荒々しい感じ?なんの順番待ちかは分かんないんだけど、とりあえず待ってる!」


待て待て、このお嬢さんは何を言っているのかしら?全体的に意味分かんないけど、メルスが荒々しいっていうのは、私はあまり良い意味で捉えられないんだけど。


「そうなのね。今日どんなデートだったのか、詳しく聞きたいわ。そうね、マリアのきゅんきゅんダイジェストも」

ちょっとヒアリングしておいた方が良さそう。この子、頼り無さすぎる。


「え~♡もう最初からきゅんきゅんしっぱなしだよ~!まずね、メルス君は2時間半遅れて来たの!超優しくない?」

「待ってごめん。2時間半も遅刻されて、どこが優しいの?」

「え、だって2時間半も遅刻するってなったら、行かなくていいや!ってなる人もいるかもしれないのに、来てくれたんだよ?しかも、早くこっち来いって♡私100メートルくらいダッシュしちゃった♡」


ええと‥?私はどこから突っ込めばいいのかしら‥?

「それでね、レストランでメニューを眺めてる姿がかっこ良くて♡しかも、すぐ注文決めて店員さん呼んでくれたの。決断力があって素敵♡それでね、マリアのこともしっかり叱ってくれるの♡」


「なにそれ?叱るって、どういうこと?」

「メルス君はメニュー見てすぐ決めてたのに、マリアは決めれてなかったの。そしたら優柔不断だ、待たせるなってしっかり叱ってくれたの♡」

「なにそれ‥。マリアはメニュー見てないから決められなかったってことじゃないの?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

隔日 06:00 予定は変更される可能性があります

結美様の生き甲斐は少女漫画に出てくるイケメンを蹴落とすことです。~決して無差別ではありません~ 田中鈴 @yamaokasann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ