第7話結美様異世界最強伝説の始まり
今朝目が覚めてから、バズールに出会うまでのことを詳細に話した。元々居た世界の話も。もちろん、浮気ゴミ男とタコ殴りシルバースーツ野郎の話もした。
ドラゴンのくせにドン引きして、同情してくれた。むかついたからぶん殴っといたけど。
「‥という訳なのよ。信じられない話だと思うけど、全て現実に起こっていることなの。
しばらくユーミとして振る舞おうと思ってる。先のことはまだ決めてないけど、この世界でユーミとして幸せになるのもなくはないって感じかな。そこでバズール。貴方に世界のことを色々と教えてほしいの。お願いできるかしら?」
「信じられないようなお話ですが、ユーミ様が言うことならば、本当のことだと思います。信じます。ユーミ様が幸せを掴めるよう、このバズールがお手伝いすることを誓います」
こいつ友達の意味分かってるのかしら。
なんか、家来みたいなことばっかり言うのよね‥。まあなんでもいっか。
「ありがとう、嬉しいわ。とりあえず、魔法について教えてくれる?火の玉を出す方法しか知らないのよ」
「分かりました。ユーミ様が言っている火の玉は、ファイヤーボールと言います‥」
そこから小一時間ほど、魔法についてのアレコレを聞いた。
バズールによると、魔法というのは基本的に火・水・土・風の4つの属性があるらしい。
火属性は主に攻撃系で、炎や熱で相手にダメージを与える。
水属性は治癒能力があるため、主に仲間のサポートの役割を果たすことが多いが、攻撃としても使える。
土属性は防御に優れて、土の障壁を作ることなど、身を守ることができる。風属性は、身体能力を上げる能力がある。
基本的に一人一つの属性を持っていて、自分が持っている属性の魔法しか使えない。極稀に複数の属性を持っている人もいるけど、本当に稀なことらしいんだけど‥。
「ユーミ様は全属性をお持ちのようです。どんな魔法でも使えます」
「まじ?え、ほんとに言ってる!?全部の属性持ってる人って、すっごい少ないんでしょ?」
「はい。全属性を持っているのは、世界で数人と言われています。でも、ユーミ様なので何も不思議なことはないです」
あらやだ。私だから、全属性持っているのは当然って言いたいのね?分かってるじゃない。
「つまり、私はほぼ無敵状態ってことね?世界最強と言っても過言ではないってことね?」
「その通りです。私たちドラゴンは世界最強種族と言われていますが、全属性を持もちの方には敵いません」
「なるほどね、分かったわ。ありがとう、バズール!」
超ラッキー!幸先良すぎるわ、まじで気分いい!
「いえ。ユーミ様のお役に立てたのなら、バズールも嬉しいです。ユーミ様ほどの能力をお持ちなら、ほとんどの魔法をイメージするだけで簡単に使えると思います。制御したい時もイメージするだけです」
「イメージね‥。ちょっと練習したいから、付き合ってくれないかしら」
「光栄です。是非、練習にお付き合いさせてください」
そこから、どんな魔法があって、どんな場面で使えるのかを教えてもらった。
バズールの言った通り、イメージさえできれば簡単に魔法を使うことができた。
制御もお手のもの。
「あー疲れた!だいぶ使いこなせるようになったと思うわ」
「はい!今のユーミ様はこの世界のほとんどの魔法が使えます。どんな相手と対戦しようとも、ユーミ様が負けることはほぼないかと思います」
「うっそ、今日だけでほとんど習得できちゃったの!?」
「はい。ユーミ様は生まれ持った素質と言いますか、能力が非常に高いので、魔法に関する知識さえあれば、魔法を操るのは簡単なことです」
「なるほどね、ポテンシャルが高すぎたってことか。そういうことなら、もう少し魔法に関する知識を教えてほしいんだけど、良いかしら?」
今日のうちにできることは、全てやっておきたい。準備は抜かりなく。
「すみません、ユーミ様。私はそろそろ帰らなければなりません」
「えーなんでよ。少しだけよ、いいじゃない」
「いくらユーミ様のご要望でも、こればかりはお応えするわけにいかないのです。もうすぐ日が落ちます。日が落ちるまでに帰らなければ、妻が‥」
「妻?え、あんた既婚者なの?」
「はい。その、あまり妻を怒らせたく‥いや、あの、帰っていいですか?本当に時間が‥」
「あ、いいわよ。その、無理を言ってごめんなさい。健闘を祈るわ。色んな意味で‥」
「ありがとうございます。それでは失礼いたしまー‥」
バズールは全て言い終わらないうちに飛び去ってしまった。
「随分と恐妻家のようね‥」
まあ仕方ないわ。私も日が落ちるまでに帰った方が良さそうね。
それにしても、バズールの奥さん。是非ともお会いしてみたいわ‥。
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