アクセント > 私の人生に色彩を与えた記号 >

茶空猫勝

第1話 金色の景色

キーンコーンカーンコーン♪

私はこの日、中学校に入学しました。

2004年4月9日3時15分。

入学式が終わって、お母さんが作ってくれたお弁当を食べ終わったころ、仮入部の時間になった。

私の名前は五十嵐花沙音(いがらし かさね)。

小学校では普通だった。

だから中学校でも普通でいようと思う。

「適当に見て帰宅部に入ろ...」そんなことを考えていたら、遠くから綺麗な音色が聞こえてきた。

「吹奏楽部か、吹奏楽部を見て帰ろう」そう思い、音のほうへ向かってみた。

近づけば近づくほどおかしなことに気づいた。(音が一つ?なんで?吹奏楽って合奏じゃないの?)疑問が生まれたとき、一気に目の前の視界が開けた。

広場の真ん中で一人の先輩が楽器を吹いていた。

先輩「あれ?もうそんな時間だっけ?ごめんねーまだ仮入部の準備してないんだ―」

花沙音「あ、そうなんですね。すいません」

まあまあボソボソしゃべってしまった。

昔からのわるい癖だ。私は人見知りなのだ。

はじめてあった人と会話する時はいつもぼそぼそしてしまう。

(というよりこの先輩イケメンすぎないか?)

その先輩の容姿は、超が3個ぐらいつくほどのイケメンだ。

先輩「僕の名前は堀健人(ほり けんと)三年のトランペットパートです」

この楽器ってトランペットって言うんだ。ずっとラッパって呼んでた。

健人「君の名前は?」

花沙音「五十嵐花沙音です。」

健人「カサネ...どんな漢字なんだろ...まあいいや」そういった健人先輩は手に持っていたトランペットを置いてベンチに腰を掛けた。

健人「ちょっと話さない?」

花沙音「えっ?」

そこから私達は他愛のない話をした。

お互い何でこの学校に入学したのか、どんな学校なのか、色々学校について教えてもらった。

そんな話の途中、先輩が話を切り出した。

健人「楽器経験はある?」

私は一切楽器経験がなかった。

花沙音「...」

健人「その感じなら楽器経験はないのかな?」

花沙音「はい...」

すっごい恥ずかしかった。

(そうだよね。楽器経験してないと吹奏楽は無理だよね。)

もう話は終わりか...っと悲しんでいたところ、優しい言葉が私を包んだ。

健人「実はうちの吹奏楽部誰一人も楽器経験がなかったのに入ったの、この部活に。」

私は驚いた。

全く音楽に興味がない私でも知っている

この五泉学園は、県内でも有名な吹奏楽部強豪校だ。

花沙音「この学校って、強豪校じゃなかったんですか?!」

健人「そうだよ。強豪校だ。なぜ演奏がうまいかって?それは...」

花沙音「それは...」

健人「練習がバカきつい」

とてつもなく嫌だと思った。

正直なこと言うと、この言葉がなければ吹奏楽部に入ってた。

だってこんなイケメンと話せるんだもん。

健人「でも先生はめちゃくちゃ優しい人だよ。僕たちが強豪校でいられるのも先生のおかげなんだよ。」

そんなすごい顧問の先生がこの部活にいるのかと、素直に関心していた。

後ろの窓がガラガラと音を立てて空いた。

花沙音「ひゃっ!!」

窓からどうやら先生らしい人物が顔を出した。

先生「堀〜 もう仮入部とっくに始まってるぞ〜」

健人「えっ マジすか? やべー 話すぎた。」

どうやら私がここに来た時間で仮入部は始まっていたらしい。

とてつもなく健人先輩は焦っていた。

先生「君、仮入部?」

花沙音「はい!」

先生「お〜 やる気あるね〜」

先生「私の名前は森林幸恵(もりばやし さちえ)この吹奏楽部の顧問です。(これから顧問と表記する)」

どうやら健人先輩がべた褒めしていた先生は、こんな陽気な初老の女性らしい。

顧問「堀、早く入って準備して そして確かあなたは五十嵐さんかな?」

花沙音「はい(なんで知ってんだよ!?)」

顧問「んじゃあ、五十嵐さんは、ちょっと入口で待っといて、実はもうほぼほぼ仮入部終わっちゃってね君が来れなかったのはそこのダメダメパートリーダーのせいだから仕方ないからね。」

少しホッと安心していると、健人先輩の顔がどんどん暗くなってくる。

顧問「堀〜 君はこれから部室の片付けと五十嵐さんの仮入部だ。準備はいい?(#^ω^)」

健人「はい(落ち込み)」

顧問「3分間待ってやる(#^ω^)」

健人先輩は急いで部室に向かった。

顧問「五十嵐さん、堀と何の話してたの?」

花沙音「吹奏楽部のことと学校のことを少し」

顧問「そうかい。 いや~よかったよかった」

花沙音「?」

顧問「フフフ…君はまだ知らなくて良いよ。」

花沙音「?」

はてなが永遠と増え続けるが、先生は何も話さなかった。

それから私は健人先輩といろんな先輩に一人っきりで色々体験させてもらった。

いろんな楽器を吹いた。

こんなに楽しかったのはいつぶりだろう。

顧問「カサネちゃーん今日はありがとね~」

幸恵先生とすごく仲良くなった。

このとき私は決めた。

私は吹奏楽部に入る。

そんな私の姿を金色に輝いた太陽が照らしていた。

数分後...

健人「先生もう決まりました?」

顧問「ん~あとちょっとかな~」

健人「あと一人だって言ってたじゃないですか」

顧問「いや実はすっごーい悩んでたんだけどカサネちゃんが仮入部に来たことでだいぶ狂ったんだよね」

健人「どういうことですか?」

顧問「トランペットパートに入れれるのはせいぜい三人ぐらいだ。一人目は決まってた。二人目もこの人かな~って感じだった。で、三人目で悩んでたんだよ。この人良いな~って思う人がもともと三人いたのにカサネちゃんが来たから四人の中から一人を決めないと行けなくなってしまったよ。」

健人「いやいい加減帰りたいっすよそろそろ」

顧問「ごめんね~ でも今決めた。 三人目は...」

To be continued...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る