好きな人がいた。
久しぶりに、電話ごしで聞いた彼の声。
「単刀直入に言うね?――好きだ」
両思いになった。幸せになった。
だけど、もう一人幸せになって欲しい人がいた。
「好きな人ができた」
私の好きな人じゃない声が、私の耳に響く。
告げられた真実。
私は彼のこと、恋愛的に好きとは思ってない。だけど彼は、私のことを愛おしく思っていた。
彼の気持ちには答えられない。だけど……
やっぱり最後は、この三人で幸せになろう。
一度はなれてしまっても、心のなかでは通じ会えるから。
――それが、わたしたちの運命〔ディスティニー〕だと、思うから。