【書籍化&コミカライズ決定】何の取り柄もない平凡な俺が美人双子姉妹を命懸けで助けた結果、実はヤンデレだった二人をガチ惚れさせてしまった件【リメイク版】
第92話 うーん、もう我慢できないからお願いしますとか?
第92話 うーん、もう我慢できないからお願いしますとか?
しばらく玲緒奈と外に出る方法が無いか探す俺達だったが残念ながら見つからなかった。こういう事が起こる可能性も考えて中からも開けられるように設計にして欲しい。
「俺も玲緒奈もスマホは持ってきてないし外と連絡が取れないのは割と困るな、練習が終わったら適宜解散だから誰からも気付かれずに取り残される可能性もあるんじゃないか?」
「私達がいつまで経っても靴箱に現れなかったら里緒奈が異変には気付いてくれるはずだからそこは心配いらないよ、ただ体育倉庫に閉じ込められてるところに気付くまでは少し時間がかかると思うけど」
「逆に考えれば待てば里緒奈が助けに来てくれるってわけか」
もし俺が探す立場なら体育倉庫の中に閉じ込められているという発想にはならない可能性もあるため里緒奈が優秀で助かる。
里緒奈が助けに来てくれるのであれば大丈夫だろうと判断した俺は体育倉庫の床に置かれていたマットへと腰掛けた。練習で疲れていたためそろそろ落ち着きたかったのだ。
「マットって意外と柔らかいんだな」
「本当だ、思ってたよりも柔らかいね。マットを使う授業をほとんど受けた事がないから全然知らなかったよ」
「確かに俺も中学生の時に授業で棒高跳びをやった時くらいしか使った記憶がない」
そんな話をしながら俺はそのままマットに寝転ぶ。寝心地もそれなりに良かったため枕があればこのまま寝れそうな気がする。すると俺の姿を見た玲緒奈がニヤニヤしながら口を開く。
「もしかして涼也君はここに泊まるつもりだったりする?」
「そんな訳ないだろ、疲れたから寝転んだだけだ」
「もし泊まるんなら私も付き合ってあげる」
「いやいや、それは大問題になるから」
体育倉庫に泊まるだけでも問題だというのに、さらにその中に年頃の男女が二人きりというのはもっとまずい。絶対よからぬ想像をする輩が現れるはずだ。
「分かってるとは思うけど二人きりだからって私にエッチな事しようとしちゃ駄目だよ」
「そんなエロ漫画みたいな展開になるわけないだろ」
エロ漫画だと体育倉庫に閉じ込められた男女は当たり前のようにそういう行為を行っているが現実世界ではまずあり得ない。
そもそも高校生で経験者なのは選ばれしリア充くらいだろう。玲緒奈や里緒奈は無いようだが俺のクラスでは既に初体験を済ませた奴らが一部存在しているらしいし。俺は一生童貞の可能性が高いため羨ましい限りだ。
「その答えをされるのは女の子としてのプライドが傷付くんだけど」
「じゃあどう答えたら正解だったんだよ……」
「うーん、もう我慢できないからお願いしますとか?」
「それは一番駄目な答えだろ」
もしそんな回答をしていたら流石の玲緒奈でもドン引きしていたに違いない。てか、もし俺が本当にそんな回答をしていたらどうするつもりだったんだろう。
まあ、セクハラになりかねないため聞く気は無いが。そんな事を考えていると玲緒奈が突然体操服の上を脱ごうとし始めたため慌てて止める。
「おい、何やってるんだよ!?」
「暑いから体操服を脱ごうとしただけだけど?」
「それは駄目だろ」
体育倉庫の中は意外と暑いため脱ぎたくなる気持ちもよく分かる。だが俺ならまだしも玲緒奈が脱ぐのは流石にまずい。
「えっ、何が駄目なの?」
「ほら、俺の前だし」
「でも涼也君は私の全裸を既に見てるし、下着姿なんて今更じゃない?」
「もし今のタイミングで誰かが来たらどうするんだよ、絶対誤解されるから」
もしそんな事になったら噂に尾ひれがついて大変な事になる未来しか見えない。そして俺は間違いなく玲緒奈のファンから殺される。
「そうなったら私が擁護してあげる、涼也君は思ったよりも上手かったよって」
「全く擁護になってないからな」
その答えだと擁護ではなくトドメを刺しにきているに等しい。結局説得出来なかったため玲緒奈は体操服の上を脱いでしまったわけだがちょうどそのタイミングで外から体育倉庫の鍵を回すような音が聞こえてくる。
「やばい、早く上を着てくれ」
「あれっ、どこに脱いだ体操服を置いたっけ?」
「足元にあるから急げ」
いてもたってもいられなくなって玲緒奈の足元にあった体操服を取ろうとする俺だったが勢い余ってバランスを崩してしまいそのまま二人揃ってマットの方へと倒れてしまう。その瞬間体育倉庫の扉が開いて外の光が入ってくる。
「……もしかしてお邪魔だった?」
俺達の姿を見た里緒奈はそう言葉を口にした。どう考えてもまずい方向に誤解されているとしか思えない。
———————————————————
キミラノなどで情報が公開されていたため告知になりますが、一二三書房ブレイブ文庫から1巻が2025年2月25日頃に発売予定です!!
表紙イラストなどは発売が近付いたタイミングで更新されると思います!
一応キミラノのリンクを貼っておきます↓
https://kimirano.jp/detail/38098
★評価もお待ちしています!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます