【書籍化&コミカライズ決定】何の取り柄もない平凡な俺が美人双子姉妹を命懸けで助けた結果、実はヤンデレだった二人をガチ惚れさせてしまった件【リメイク版】
第86話 うん、神様より私達の方が涼也君への思いは断然強いから
第86話 うん、神様より私達の方が涼也君への思いは断然強いから
いよいよ修学旅行の最終日となった今日、朝食を済ませてホテルを後にした俺達はバスで伏見稲荷にやって来ていた。
ちなみに初日に宣言された通りバスに乗った途端一番後ろの強制連行されて恋バナをさせられた事は言うまでもない。
「やっぱり伏見稲荷は人がめちゃくちゃ多いな」
「うん、流石京都の人気観光地ナンバーワンに選ばれただけの事はあるね」
「涼也、お姉ちゃん、早く行こう」
表情はいつも通りだがややテンションが高めな様子の里緒奈に促されて俺と玲緒奈は大鳥居をくぐって同級生達とともに神社の中へと進み始める。
稲荷という名前がついているだけあって境内のあちこちに狐の像があった。俺達は手水舎で手を清めた後、早速本堂でお参りをする。
ちなみに本殿の右隣の神楽殿では運が良ければご神事で巫女さんの舞や神楽の演奏を見ることができるらしいが、今回はタイミングが悪かったため見る事が出来なかった。
「ちなみに玲緒奈と里緒奈は何を願ったんだ? 俺は普通に成績を良くしたいって願ったんだけど」
「それは秘密」
「うん、他人に願いを言ったら叶わなくなるかもしれないからね」
「えっ、今思いっきり他人に言ったんだけど」
成績が良くなるという願いが叶わなくなってしまうのはかなりまずい。今のままの成績だと志望校はかなり厳しいのだ。
「大丈夫、涼也の成績は私達がどうにかする」
「うん、神様より私達の方が涼也君への思いは断然強いから」
そう口にした二人は自信満々だった。うん、これなら大丈夫な気がしてきた。その後はいよいよ伏見稲荷の大本命である千本鳥居へと向かい始める。
ここからはそれぞれ好きなペースで良いとの事で同級生達はどんどんと散らばっていく。俺は勿論玲緒奈と里緒奈と一緒に行くつもりだ。
「やっぱり伏見稲荷と言ったらこの景色だよね」
「だな、せっかく来たんだからこれを見ないと勿体無い」
「綺麗」
鳥居のトンネルの前に到着すると玲緒奈と里緒奈は人の邪魔にならないように注意をしながらスマホで写真を撮り始めた。
伏見稲荷に来るのは初めてだが確かに思わず写真を撮りたくなる気持ちもよく分かる。この景色はそれだけ圧巻だった。
「よし、写真もこのくらいにしてそろそろ行こうよ」
「ああ、先もまだまだ長そうだし進もう」
「この先の景色も楽しみ」
俺達は二列ある鳥居のトンネルの右側を歩き始める。平日だというのにかなり混雑していたため少し進むだけでもかなり時間がかかりそうだ。
「そう言えば伏見稲荷ってさ、何本くらい鳥居があるのかな? やっぱり千本鳥居って名前がついてるくらいだから間違いなく千本はありそうだけど」
「いや、千本以上あるんじゃないか? ここから頂上までずっと鳥居が続いてるらしいし」
「どっちも不正解、千本鳥居は約八百本って言われてる」
俺と玲緒奈の口から出た疑問の声に対して里緒奈がすぐさま答えてくれた。今日もリオペディアは絶好調のようだ。
「えっ、千本鳥居って名前なのに千本じゃないんだ」
「千本鳥居の千本は正確な数の事では無くて数え切れないくらいたくさんあるからその名前になった」
「へー、そうだったんだ」
「なるほどな、ちょっと勉強になった」
そう言えば日本史の授業の時に先生が昔の人は千という数字をとにかく多いという意味で使っていたって事を言ってたな。
そんな事を思いながらしばらく道なりに進むと奥社奉拝所に到着した。里緒奈曰くここは一般的に奥の院とも呼んでいるらしい。
「あっ、なんかあっちに変わったものがあるぞ」
「えっと何々……おもかる石?」
「おもかる石は石灯籠の上に乗った丸い石を、願い事をしながら持ち上げて、予想していたより軽ければ願い事が叶うと言われてる」
「へー、そうなのか」
「せっかくだし私達もやってみようよ」
里緒奈の解説を聞いて興味が出てきたため全員で持ち上げてみる事にした。石なのだから普通は重いと思うが、おもかる石という名前がついているくらいなのだから案外軽い可能性も考えられる。
そんな事を思いながら順番に持ち上げる俺達だったが、俺はめちゃくちゃ重く感じた。まるで石灯籠にくっ付いているのでは無いかと思うくらいの重さであり軽いと感じる要素なんてどこにも無い。
「……全然軽くなかったんだけど」
「予想してたより遥かに重かった」
「だな、これを持ち上げて軽いって感じる奴がいたら見てみたい」
俺と玲緒奈、里緒奈も誰一人として軽いとは感じなかった。多分凄まじいゴリマッチョで無ければ願いが叶わないに違いない。
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後数話で修学旅行編は終わる予定です、よろしくお願いします!
カクヨムコン用の新作、新規読者が急激に減ってきたのでタイトルとキャッチコピー変更してテコ入れをしました
https://kakuyomu.jp/works/16818093086422120550
★とフォローの数で次の選考に進めるかどうかが決まり去年は足切りにあって落選した苦い記憶があるので未読の方は是非お願いします!!
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