【書籍化&コミカライズ決定】何の取り柄もない平凡な俺が美人双子姉妹を命懸けで助けた結果、実はヤンデレだった二人をガチ惚れさせてしまった件【リメイク版】
第83話 的に当てて貰える景品が涼也だと思って投げたらきっと当たる
第83話 的に当てて貰える景品が涼也だと思って投げたらきっと当たる
橋の前で写真を撮り終わった俺達は引き続き映画の里を三人で見て回る。中の景色を楽しみながら撮影スポットで写真を撮っていると玲緒奈が突然立ち止まり指を差す。
「ねえ、二人ともあれ見てよ。手裏剣道場だって」
「へー、こんなアトラクションもあるのか。流石は映画の里って感じだな」
「やってみたい」
面白そうだったので全員で参加する事に決めた。ただし人気アトラクションのようなので順番待ちをする必要がありそうだ。
「結構難しそうに見えるのは俺だけか?」
「私も思ってるから心配しないで」
「だよな、皆んな全然的に当たってないんだけど」
やる前にスタッフが投げ方に関するレクチャーをしてはいたがそれでも手裏剣を上手く的に当てられる人はかなり少数だった。簡単そうなイメージを持っていたがそうではなかったらしい。
俺と玲緒奈がそんな話をしている中、里緒奈は黙って手裏剣を投げる様子を見つめていた。恐らく投げ方の研究をしているのだろう。
こういう勝負になったら毎回里緒奈が圧勝するわけだが、俺や玲緒奈とは違いしっかり対策を考えるからこそ強いに違いない。
それからしばらくしてようやく俺達の番が回ってきた。スタッフから手裏剣を五枚渡された俺達はひとまず投げ方のレクチャーを受ける。五回投げて一回でも的に当たれば景品が貰えるとの事だ。
「手裏剣って意外とずっしりしてるんだね」
「ああ、鉄で出来てるとこのサイズでも思ってた以上に重いな」
「投げる時の力加減のコントロールが間違いなく重要になる」
俺達はそれぞれそんな言葉を口にしながら的に向かって一投目を投げる。だが残念な事に誰も的に当たらなかった。
「やっぱり思ったようには飛んでいかないか」
「私も狙ってたところからだいぶずれちゃったよ」
玲緒奈と二人で感想を言い合っていると里緒奈が二投目を投げ、手を離れた手裏剣は見事的のど真ん中に刺さる。くノ一の格好をしている事も合わさってめちゃくちゃ格好良かった。
「えっ、里緒奈凄いじゃん」
「やっぱり里緒奈は流石だな」
「一投目で力加減が大体分かった」
俺と玲緒奈から称賛の言葉をかけられた里緒奈は相変わらずいつも通りクールな表情を浮かべていたが、四六時中一緒にいるようになったため今の里緒奈が喜んでいる事がよく分かる。
俺達も負けられないと思い二投目と三投目を投げたが的には当たらなかった。やはりそう簡単にはいかないようだ。
里緒奈のように一回投げただけで完璧にコツを掴めるのは一部の天才だけに違いない。マジで里緒奈はおっちょこちょいなところさえ無ければ完璧超人だと思う。
「ねえ里緒奈、何かコツとかってないの?」
「的に当てて貰える景品が涼也だと思って投げたらきっと当たる」
「いやいや、そんなの全然コツじゃないだろ」
アドバイスとして里緒奈がさらっととんでもない事を言ったため俺は思わずそうツッコミを入れた。景品が俺っていう発想がもはや意味不明だ。
「なるほど、確かに涼也君が貰えると思って投げたら当たるかも。ありがとう、それでやってみるよ」
「お姉ちゃんならきっと当てられる」
「これで本当に当たったらびっくりするぞ」
里緒奈と二人で見守る中玲緒奈は四投目を投げた。ど真ん中は外してしまったものの的には見事命中した。
「やった、的に当たったよ」
「やっぱり私の言った通りだった」
「おいおいマジかよ……」
絶対当たるとは思っていなかったため正直驚きしかない。その後五投目まで手裏剣を投げ最終的に的に命中した数は里緒奈が四で玲緒奈が二、俺が一で終わった。景品は映画の里のロゴが入ったお洒落なうちわとなっており的に当たった数で変わる事はなかったようだ。
「じゃあ的にも当たったし涼也君は今日から私と里緒奈の所有物って事で大丈夫だよね?」
「決定事項のように話してるけど何も大丈夫じゃないぞ、そもそも何でそうなるんだよ?」
「だってさっき手裏剣を的に当てた時の景品は涼也君って話になったじゃん」
「あれは里緒奈が勝手に言っただけだからな」
まあ、ペアリングを付けさせられたりしている時点でもう既に二人の所有物に片足を突っ込みかけている気もするがそれは言わなかった。
「それにしてもやっぱりアトラクションは楽しいね」
「だな、他にも色々あるらしいしせっかくならそっちも行きたいよな。あっ、勿論お化け屋敷以外で」
「お化けなんて非科学的なものはこの世に存在しないから私は大丈夫」
「この間あれだけ怖がってた里緒奈がそれを言っても説得力ゼロだからな」
「ちなみにここは日本のお化け屋敷の中でトップクラスに怖いらしいから里緒奈は絶対無理だよ、私の友達も軽い気持ちで入って号泣したらしいし」
強がっていた里緒奈だったが玲緒奈の言葉を聞いて完全に黙り込む。岡山ミラノ公園のお化け屋敷でもあれだけ絶叫していたのだからここなんて絶対だ。中で里緒奈が動けなくなる未来しか見えない。
———————————————————
書籍版については恐らく年を明けたタイミングくらいで追加情報を出せると思います。
カクヨム版に関しては二巻分くらいの分量でひとまず完結させますが、三巻以降の構想もあるので今から出せる事を願ってます←
書籍版の発売までに★1000を超えたいなと密かに思っているため、もしまだの方がいればぜひ★★★評価をお願いします!!
文字付きレビューも大歓迎です♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます