間話4 うん、近いうちに絶対そうなるよ

「涼也君って本当に色々なトラブルに巻き込まれてるよね」


「私達が関与していないトラブルも結構多いから不思議」


 涼也君に家まで送ってもらった後、私と里緒奈はそんな話をしていた。過去に何度か私と里緒奈が画策して引き起こしたトラブルもあったが今回のナンパのように私達が意図していなかった事もたびたび起きている。

 例えば夏休みの木更津花火大会の時に電車が止まって急遽お泊まりになった事や先日のゲリラ豪雨などがそうだ。今までそういうトラブルに巻き込まれた事はほとんど無かったというのに涼也君と一緒にいるとよく何かが起きる。

 それにしても今日のナンパに関しては相手が女ではなくて本当に良かった。私と里緒奈はとにかく独占欲が人よりも異様に強いらしいので涼也をナンパしたのが女だったなら何をしていたか分からない。


「もしかして涼也君って実は凄まじい不幸体質だったりするのかな?」


「かもしれない、そうじゃないと普通は通り魔と遭遇なんてしない」


 そう言われると私達が涼也君を好きになったきっかけを作ったあのおぞましい事件も不幸体質が引き寄せたとしか思えなかった。

 長い人生の中で通り魔に遭遇する人なんてそう多くは無いはずだ。ある意味宝くじに当たるよりも低確率と言えるだろう。


「でもさ、天が私達の味方をしてくれてるような気がしない?」


「確かに偶然起きたトラブルも何だかんだで良い方向に作用してる事が多い気がする」


「だよね、これは神様が涼也君を私達だけのものにしてもいいって言ってるも同然だと思うな」


 今までのトラブルは意外と涼也君の外堀埋めに役立っていたりする。涼也君のファーストキスも観覧車のゴンドラが揺れてバランスを崩すというトラブルによって奪ったわけだし。

 今日のナンパに関しては正直見ていて良い気分はしなかったが最終的には里緒奈が嬉しそうだったので結果オーライだ。


「神様もそう言ってるなら私達が涼也を手に入れるのはもはや必然で運命」


「うん、近いうちに絶対そうなるよ」


 まあ、神様から反対されていたとしても手を緩める気は一切ないが。例え私達の前にどんな障害が立ち塞がったとしても乗り越えて前に進むだけだ。

 私と里緒奈の進路を邪魔するものは全て蹴散らし、その先にいる涼也君を私達の深い愛で包み込んでみせる。永遠に。


———————————————————


書籍1巻の仕上げが予想よりも早く片付いたので再開します、書籍版はよりヤンデレっぽさを出すために一部加筆などもしているのでお楽しみに!!


今話から第3章に行くつもりでしたがせっかくなので玲緒奈視点の間話を挟みました、次話から今度こそ第3章の予定です〜


また、他作品になりますが本作を読んでくださってる読者様の中には読んだ事がある方も多いと思うので軽くお知らせします。


「どうやら俺は今どきギャルな歳上幼馴染から激重感情を向けられているらしい」

https://kakuyomu.jp/works/16817330669706182980


のコミカライズに関する情報公開を近いうちに出来そうです!


本作の更新を優先して一時的にストップしてますが、こちらも忘れていないのでもうしばらくお待ちください…!

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