【書籍化&コミカライズ決定】何の取り柄もない平凡な俺が美人双子姉妹を命懸けで助けた結果、実はヤンデレだった二人をガチ惚れさせてしまった件【リメイク版】
第34話 涼也は嫌がっても最後は何だかんだでやってくれる
第34話 涼也は嫌がっても最後は何だかんだでやってくれる
それから色々なアトラクションでしばらく遊んだ後、俺達はフードコートでかなり遅めの昼食をとっていた。
「やっぱりテーマパークって何歳になっても楽しいね」
「時間が経つのが本当にあっという間」
「普段中々来れないから余計にそう感じるのかもな」
「もう十四時過ぎって信じられないよ」
コーヒーカップを回し過ぎて玲緒奈が酔ったりお化け屋敷で里緒奈がキャラ崩壊するほど絶叫したりとここまで色々あったが俺達は何だかんだ楽しんでいる。
「お昼が終わったら今度はどこに行く?」
「次はジェットコースターとかどうかな?」
「私もジェットコースターに行きたい」
食事の手を止めてパンフレットを見ていた玲緒奈がそんな提案すると里緒奈も賛成の声をあげた。俺も特に反対する理由は無いためジェットコースターで決まりだ。
「オッケー、そうしよう」
「じゃあ早く食べて行こうか。多分ジェットコースターは順番待ちの列が凄そうだし」
「さっき見た時はかなり並んでた」
俺達は残っていた料理を平らげるとジェットコースターへと向かい始める。到着すると予想していた通り長蛇の列ができていた。ここの順番を待つだけでかなり待ちそうだ。
「せっかく時間もあるしさ、昨日新幹線やってたみたいにまた三人で心理テストをしない?」
「結構面白かったしありだな」
「それならおすすめのアプリがある」
「じゃあ三人でダウンロードしてやってみようよ」
早速俺達は里緒奈からおすすめされたアプリをダウンロードする。どうやら恋愛関係の心理テストであり四択問題が百問あるためかなり当たっていると評判らしい。
俺達は自分のスマホを使って同じ問題をそれぞれ解き始める。問題は”片思いしている相手が困っていたらどうしますか”という割と普通のものから”もし自分の命と引き換えに瀕死の恋人を助けられるならどうしますか”という重々しいものまで様々だった。
「よし、終わった」
「私も終わったよ」
「ちょうど私も今終わった」
三人ともほぼ同時に解き終わった事を考えると同じくらいの早さで回答していたようだ。それから広告を挟んだ後画面に結果が表示される。そこには俺のタイプと解説が表示されていた。
「ツンデレタイプって書いてあるな」
「確かに涼也君は少しツンデレなところがあるね」
「涼也は嫌がっても最後は何だかんだでやってくれる」
「ちなみに玲緒奈と里緒奈の結果はどうだったんだ?」
玲緒奈と里緒奈の結果が気になったため尋ねてみると二人は視線を自分達のスマホに落とす。内容を確認した二人は声を上げる。
「私はヤンデレタイプって書いてあるよ」
「お姉ちゃんと同じく私もヤンデレタイプって書いてある」
ひとまず玲緒奈と里緒奈のスマホに書かれていた解説に目を通す。玲緒奈は好きな相手に恋人がいた場合は監禁して既成事実を作ると書かれており、里緒奈に関しては恋人を二十四時間三百六十五日監視していないと気が済まないと書かれていた。
「おいおい、とんでもない内容が書かれてるじゃん」
「流石の私でも多分そんな事はしないと思うよ……あくまで最終手段だし」
「私もずっと監視するのは流石に無理……せいぜい起きてる間中が限界」
二人とも後半喋っていた内容の声が小さ過ぎてよく聞こえなかったが多分大した内容ではないだろう。引き続き他の問題を解いて三人で盛り上がっているうちに列は進み俺達の番がやってきた。
乗り込むと上からゆっくりと安全バーが下ろされアナウンスの後にジェットコースターが発進する。最初は大して怖くないと完全に油断していた俺だったがすぐにその考えは誤りであると気付く。
発進直後は比較的緩やかだったコースが中盤辺りから一気に激しくなったのだ。俺は絶叫マシンがあまり苦手な方では無いがそれでも結構怖かった。案の定里緒奈も顔がこわばっている。
「めちゃくちゃ楽しかった」
「ああ……」
「……そうね」
乗り場に到着したジェットコースターから降りた俺達だったが満面の笑みを浮かべた玲緒奈に対して俺と里緒奈は完全に疲れ切っていた。
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