第26話 奇跡の力
マーク・エロイーズは、風の精霊の絨毯を降りていった。
僕は、予知夢で視た犯人の男を探した。街頭演説をしていたところを狙われたのだ。あの方向、あの角度。
一つの建物が浮かび上がった。
「「大将!! あの樹の上にいる男を捕らえてくれ!!」」
僕は大声で怒鳴った。
<馬鹿か!? 精霊は契約者以外の命令は聞かぬわ?>
「でも、逃げられてしまうよ」
「お前とマークは特別だから、風の縄で縛ってやる>
「ありがとう……大将」
見れば、
大統領を警備していた騎士たちが、それを見つけて男をしょっ引いて行く。
マーク・エロイーズは、僕の見た予知の通りに真っすぐに大統領のところに走って、既にこと切れている大統領の魂を呼び戻し、ついでに、胸と頭に着弾した弾丸を奇跡の力で、摘出していた。
その間、彼女の身体は、銀色に輝き、人ならぬ力を使っていると感じた。
ただ僕の予知夢と違っていたのは、マーク・エロイーズは、大統領の街頭演説を聞きに来ていた大勢の人の前で聖女の力を使ってしまったことで、たくさんの人に。奇跡の力、聖女のことがバレることになってしまったのだ。
大統領が、気が付くと、マークはその場を去りたかったが、たくさんの人がマークに縋りついてきた。
マーク・エロイーズは、風の大将を呼んで空に逃げた。
「取り合えず、これでいいんだろ?」
「僕の予知夢も当たりました。銀髪の聖女」
「おまえ、予知夢が見れるから神殿に帰らないといけないんだよな?」
「は、はぁ……」
マーク・エロイーズは、ニヤリと笑って、僕を風の絨毯の上に押し倒した。
「まだ力に、余裕があるみたいだ。お前の力を取り上げてやるよ。不眠になるくらいプレッシャーのある仕事なんだろ?」
え? ええ!! ええっ!!?? でも、僕の存在意味は~~??
僕は、銀色に輝くマークロイーズに、唇を奪われた。
僕の理性が飛んで行く――――
僕の、身体を包んでいた、大地の聖霊がエロイーズの光の
「マーク……」
「この力は、一度発動すると、自分じゃあ止められないな!!」
「一度、銀の森へ戻ろうよ」
「馬鹿なことを……俺は、魔王になったやつだぜ。聖女でも闇堕ち出来るのか、堕ちる所まで堕ちてみようや。もちろん、お前は道連れだ」
不気味に笑うマーク。
何処からそんな事になったんだ~~
僕の力は、もう本当に使えないのか~?
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