第27話  闇墜ち聖女

 僕のは、本当に無くなったのだろうか!?

 僕の力は大地の魔法に分類されていた。

 生まれた時から、大地の力を宿していたんだが……。不安になって僕は、外套からカードを取り出した。僕のもう一つの力だ。


 僕らの未来を占ってみる。

 なんだ!?

 この配置……?

 見たこともない……。

 僕は咄嗟にカードを足した。より、詳しく状況を読み取るためだった。


 銀の森……光の神殿……? 神に突撃ぃ!?


「何だよ。何を見てるんだよ」


 後ろから、マーク・エロイーズが僕の肩越しにカードを覗いてきた。

 ビックリした僕は、慌ててカードをグチャグチャにした。


「何だよ、何をしてたんだよ」


「僕の力が、本当に持っていかれたのかと確かめたんだよ」


「フン!! 当たり前だろ」


 マークは 、鼻を掻きながら自信たっぷりに言った。


「もう、お前は予知夢を見ることはできない」


「カードは、使えるんだけど……」


 僕が答えると、マーク・エロイーズは、「そんなの知るかよ」と言って僕を押し倒してきた。


 そして、ねっとりとした口づけ。

 マークの舌が僕の口の中を這い回った。


 僕は、なおも口づけを続けようとするマークを押しのけて疑問をぶつけた。


「マーク、これからどうするつもりです?」


「そうだな……やっぱり、闇堕ちしたからには、光の奴らを退治しに行こうぜ」


「でも、君は闇堕ちなんてしてませんて……光の精霊グレシャスを宿しているんです」


 マーク・エローズは、僕の顔をまんじりと見た。

 そして、しばし考えた。


「神殿なんかの言うことは聞きたくねぇ!!この力は、神に返してやりてぇよ」


「そうは言っても、神殿に神剣は有りません、有るのはレプリカです。神はもう数百年不在です。今は神無き世だと言われてるんです。だから、奇跡の力を持つ聖女の存在は、神殿の待ち望んだことです」


「俺とは、関係ねぇもん!!」


 マーク・エロイーズはプンと明後日の方向を向いた。そして、しばし何かを考えていたようだ。急に、僕の顔を見つめて来て言った。


「神剣のレプリカだって!? 嘘っこの神剣がに置いてあるのか?」


「え? ええ、そうですけど……」


「よし、光の精霊グレシャスを神剣に返しに行って、俺は自由になるぜ」


「えーー??」


 マーク・エロイーズの考えてることは、僕には全然分からなかった。

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