第16話 目覚めた僕
僕は、エロイーズの目が覚める前に、妖刀ムネヒラを取り上げて、サントス神殿に返すようにお願いをした。
オアシスの周囲が、『ギャオ』の生息地になっていたみんなは、エロイーズの『ギャオ』退治を逆に喜んでくれたが、女の子に刀は不似合いだ。
それに、『ムネヒラ』を持たすとまた『マーク』が出て来てしまうのも困る ――――かなり本音だ。
目が覚めたら礼が言いたい、宴会を開きた言ってきた。
昔の王族だった誇りなぞ、吹き飛んだ祭大好き民族になってしまった。でも、丁重にお断りした。
宴会には酒が付きものだろう……
多分、これで清楚なエロイーズに戻るはずなんだ。
くれるはず……。くれないと困るよ……。僕の身体が持たない……。
僕は、今ジェダイン・オアシスの族長になってるじい様に、エラドーラの大統領のことを相談した。聖女のことは伏せてだ。
いくら、予見の一族だと言っても、神殿とは一線を画している。
聖女のことは、神殿のトップシークレットで、存在も隠されている。
でなけりゃ、奇跡の力が使えるなんて分かったら、どんな悪い奴らに利用されるか分かったものじゃないからな。
「それは、神殿の仕事ではないのか?」
「でも、じい様。銃が使われるんだ。僕は犯人の顔を見たよ?」
「ここで、ワシに言っても始まらん。その者の天命じゃ。生かすも殺すも神殿で決められるだろう。それよりも早く銀の森に帰るのじゃ。それよりもじゃ……!!」
「はい」
僕は、じい様に昨日の所業をしこたま怒られた後に、水浴びを頼み込んだ。
僕は、水浴びを許されて裸で、泉に飛び込んだ。
このオアシスも、長いこと水不足で神殿から、水の魔法使いを呼んで水喚びをしていたんだけど、三百五十年前に水の魔法を持つ遠国の姫がここまで駆け落ちしてきて以来、水の心配はなくなった。
僕が、ここにいたのは五歳までだけど、変わらないなぁ~~
葉肉の大きなトゲのある植物も大輪のゼナの花も……。
――――聖女はいるんだ。銀髪の聖女が――――
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