第3話 出会い
僕は、勢い余ってギイラス様と聖女候補のエロイーズの前に転がるように飛び出していった形になった。
「キャ!!」
エロイーズは、突然現れた僕にビックリして、小さな悲鳴を上げた。
「こら、アルゴッド!! 昼寝ならいつものところでしなさい。それかベッドでな!! おまえの仕事は溜まってるんだぞ」
「他の人に振って下さいよ。僕の夢で判定なんて」
「お前が、一番確率が高いんだ。仕方あるまい」
ギイラス様は、そのまま神殿の中へ入っていった。
「エロイーズ・リッヒ様ですね? あたし、リサルディ・マーロウです。ここにいるのは、アルゴッド・マーロウね。同じオアシスの同郷なの。
因みにあたしがあなたのお世話係よ。こっちは、あなたに光の
「まぁ……お顔が……?」
僕の赤い顔を見て、エロイーズは心配そうに言ってくれた。
違う! 違う! 違う! 彫刻のように無表情だった彼女の顔が、戸惑った表情になって僕に向けてくれているからなんだ。
これまで、何人かこの神殿に連れて来られる女の人はいたけど、こんなに若くて美人さんは初めてだ~~
それにしても、リサルディの奴こんな最悪な出会い方にしてくれやがって!!
僕は、リサルディに「キッ」と睨んでやった。
リサルディは、エロイーズの荷物を持って神殿の中に入っていった。
ついでに、僕の足を踏んずけて……
「なんで、こんなことをするんだよ~~」
「ふ~~ん? アルがそんな鼻の下が伸びた顔は初めて見たわよ。ちょっと、若くて美人だとそんな顔になるのよね」
焼きもちかぁ?? リサルディは、僕と同じ西域のナムラ砂漠のジェダイン・オアシスの出身だ。五年前に大神殿に
「わたくしの所為でケンカは止めて下さい」
エロイーズは、僕のところに来て言ってくれた。
「いえ、決してあなたの所為では……」
僕は、真っ赤の上に更に赤くなって、エロイーズに言った。
エロイーズは僕の腕を取って、立たせてくれた。
「お顔の色が、赤いですわ。お熱などありませんか?」
「これは、あなたがあまりにも綺麗なもので……」
うっかり出てしまった。僕の正直者!!
エロイーズは、僕の顔をジッと見て黙っていた。
「そんな風に言われるのは、初めてですわ」
嘘だろ~~
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