第3話 虚構の歴史と、実感の湧く歴史

 【実感】(想像・空想に対して)実際に経験しているかのような生き生きとした感じ。


日本を支配する上級国民(天皇・政治屋貴族・警察屋・マスコミ屋)による、「日本の歴史は弥生時代から始まる」かのような話は「幻影」であり「捏造」とさえ言えるのではないか、と感じました。

日本人の原点とは、たかだか2,000年程度の昔ではない。

天皇・貴族・暴力で税金を徴収する人(警察)による国家、というものが形成されるよりも遙か昔から、三内丸山古墳に見られるような、平等で明るい社会が何万年もの間、日本全国で続いていたのです。

「7世紀に作られた世界最古の木造建築」なんて、屁みたいなもの。

その10倍以上もの昔から、日本人は木の家に住んでいたのですから。

三内丸山古墳を見てからは、世界中のどんな遺跡でも10,000年以上経っていなければ価値はない、と思うようになりました。

三内丸山古墳からは、5,500年前のポシェット(肩から提げる小型のバッグ「縄文ポシェット」)が発見されています。発掘された時、中にはクルミの殻が一個入っていたそうです。可憐な乙女が、可愛らしいポシェットを腰にぶら下げて、クルミ採りをしていたのでしょう。

この素材はなんと、ヒバ(針葉樹)の、樹皮と幹の間の繊維を網代編みにしたものだそうです。

同じ青森県の是川遺跡からは、3,000年以上も昔の様々な漆塗りの弓や櫛・かんざしが見つかっています。これだけ手の込んだ精巧な木細工を縄文人は作っていたのです。弥生時代の遺跡にそんな洗練された民芸品はなく、幼稚な土偶や人殺しの道具ばかりなのです。

私がアメリカにいた時、学会で来られた鹿島建設研究所の所長さんから、こんな話をお聞きしました。

「日本は、掘ればいくらでも縄文遺跡は出てくる。東名高速(全長346.7キロメートル)建設時、ずいぶん遺跡が発見されたが、高度成長時代に合わせ突貫工事だったので、片っ端からぜーんぶコンクリートで埋めてしまった。」と。

いまから千年後、朽ち果てた東名高速道路の地下から、コンクリートで固められた沢山の縄文遺跡が発掘されることでしょう。コンクリートで覆われたために、かえって保存状態がよかった、なんて。

2024年6月7日

V.2.1

平栗雅人

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