第22話 目覚め
「……ぅ……ぁ………」
レオナルドはゆっくりと目を
いつもの見
そこでふと自分の右腕が慣れない
(っ!?な、な、なんで?え?どうしてセレナが
(とりあえず落ち着け!落ち着くんだ俺!)
レオナルドは深呼吸を
とは言っても、違和感の正体は
(……これどういう状況!?)
何とかしなければ、とそれだけが
けれど今室内にいるのはレオナルドとセレナリーゼだけだ。しかもそのセレナリーゼは隣で
セレナリーゼを助けることができた、その思いがレオナルドの中で強くなっていく。
(よかった……。本当によかった……)
落ち着いてくれば、いつまでもこうしてはいられない、とセレナリーゼに抱きしめられている腕を抜こうと
起こさないように気をつけながら
「レオナルド様?」
タイミングがいいのか悪いのか、そんな状況のレオナルドに声がかけられた。
瞬間レオナルドの肩がビクッとする。誰かは声だけでわかった。
レオナルドはギギギと音がしそうなほどぎこちなく声の方に顔を向けた。
「ミ、ミレーネ……」
レオナルドの目に入ってきたのは想像通りミレーネだった。ミレーネはベッドに向かって一直線に歩みを進めてくるため、レオナルドはバッと
「よかった。お目覚めになられたのですね」
今の状況をどう説明すればいいんだと頭を
「あ、ああ。ついさっきね」
何とかそう言葉を返すのがやっとだった。
「そうでしたか。皆様お喜びになられると思います。もちろん、私も」
「っ、う、うん……」
ミレーネの優しい笑顔にレオナルドは
同時に
「……ありがとう」
レオナルドはそれを一息に飲み干す。
「ふぅ……」
それで少し落ち着いたレオナルドは状況を確認することにした。
「少し聞いてもいいかな?」
「…はい。なんなりと」
何を聞かれるのか、とミレーネの声に
「ありがとう。おれ…、僕は
「レオナルド様は丸三日以上眠っておられました。今は事件のあった日から四日目の朝です」
「そんなに!?」
レオナルドは目を見開き、思わず手を見つめながら
そこで、レオナルドは自分自身の違和感に気づいた。あるべきはずのものがない、と。
「…ねえ、ミレーネ。お、僕の
ナイフでつけられた切り傷が
あのときは
「はい。確かにレオナルド様のお体には多くの傷がありました。レオナルド様が気を失われてすぐに騎士の方が回復魔法を使用しましたが一切効果がなく、場は
「そう、なんだ」
回復魔法が
「回復魔法が効かなかったことも傷が治ったことも、どちらも理由は判明していません」
「なるほど……」
ただ傷の治癒については別だ。クラントスを倒せた力のことも。自分のことについてもっと考える必要がある。知る必要がある。ミレーネが言い
レオナルドが考え込んでしまったため、しばし無言の時間が流れた。
セレナリーゼもそういうところを心配してくれているのだろうか。でもそれがどうしたら
そこで、
「……ところで、レオナルド様」
「ん?」
ミレーネの顔を見た瞬間にレオナルドは嫌な予感がしたがもう遅い。
「先ほどから
小首を
「っ!?べ、別に恥ずかしがってなんかないし!?ま、まあでもそうだな。普通にしてればいいよな!」
(そんなツッコミわざわざする必要ないだろ!?)
レオナルドは平静を
だがミレーネの
「それと、そちらにセレナリーゼ様が眠っていらっしゃるようですが?」
「っ、いや、これは、俺もさっぱりわからない状況で―――」
「添い寝をご
「いやいやいや、俺が望んだ訳じゃなくて……って、ついさっき起きたばっかだって言っただろ!?あと坊ちゃま言うな」
「あら、そうなのですか?」
「そうだよ!」
レオナルドの声が思いの
「ん…ぅ……レオ、兄、さま?」
その声でセレナリーゼが目を覚まし、
「あ、ああ。おはよう、セレナ」
レオナルドはそんなセレナリーゼに何とか笑顔を作って
「っ、レオ兄さま!」
「おっと」
完全に
「よかった。よかったぁ…。全然目を覚まさないから私……」
「心配かけてごめん、セレナ。もう大丈夫だから」
レオナルドはセレナリーゼの頭を優しく
その後、
「そ、それでは、私は部屋に戻りますね」
「あ、ああ。それはいいんだけどさ。セレナはなんでこの部屋で―――」
「レオ兄さま、また後ほど。ミレーネ手伝ってくれますか?」
「?わかった」
「はい」
レオナルドはセレナリーゼの態度の意味がわからず首を傾げたが、ミレーネは退出するとき小さく笑みを浮かべていた。
―――――あとがき――――――
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