第23話 情報共有①
一人で
「レオナルド、目が
「父上、母上、ご心配おかけしてしまいすみませんでした。この通り、もうばっちりです」
「レオ!よかった!よかったぁ!」
「むぐぉっ!?」
フェーリスの喜びようは
本当なら母の想いに
(息が!息、が……!あ、これ、ヤバ、い……)
タップは
「お母さま!レオ兄さまが苦しんでいます!早く放してください!」
しかしそこで、セレナリーゼがフェーリスの腕を引っ張り、レオナルドをそんな死の
「あんっ、セレナ。どうして
「
「そんなことないわよ。ねえ、レオ?」
「え、いや……、ええ……まあ……」
心配をかけたのは事実で、死にそうでした、なんて
「ほら。それにセレナだってレオが目を覚ましたとわかってすぐに抱きついたんじゃない?昨日は一緒に寝たのでしょう?」
「なっ!?……わ、わ、私はお母さまのようにレオ兄さまを窒息させたりしてません!」
自分の行動を見事に当てられ、
(セレナ、それは
レオナルドはため息を
「あら、やっぱりセレナも抱きしめたんじゃない」
「っ、それは……」
なぜ一緒に寝たことを知っているのか、と
「じゃあ今から二人でレオを抱きしめましょうか?」
「二人で……」
フェーリスの
(この話題いつまで続くんですかね?マジで
二人のやり取りにレオナルドは頭が痛くなっていた。
「お前達、そろそろ落ち着け。食事にしよう」
そんな彼女達を
食後、レオナルドはフォルステッドの
フォルステッドから事件当日のことを聞きたい、と言われたからだ。
元々事情
なぜなら――――。
「あの……、セレナ?」
「はい。なんですか?」
呼ばれたセレナリーゼは満面の笑みをレオナルドに向ける。
「え…と、なんで俺の腕を―――?」
そう。セレナリーゼはレオナルドの腕に自分の腕を
「どうぞ、私のことは気にしないでください」
満面の笑みだというのに、なぜか
「あ、はい……」
(セレナってこんなキャラだったっけ!?)
レオナルドは内心で首を
正面に座る二人のやり取りを黙って見ていたフォルステッドは
「……レオナルド、あの日、何があったのか聞かせてくれるか?」
「あ、はい。と言っても、俺もよくわかりません。
セレナリーゼのことはとりあえず気にしないことにしたレオナルドは自分の中で何を話し、何を
「そうか……。その賊は逃げ出したのか
「はっ」
ジークは部下からの報告、そして実物を見た結果を皆に説明した。と言ってもわかったのはほんの
死んでいた魔物の名はクラントスと言い、本来なら相当魔素濃度の高い場所にいる強力な魔物で、王都
そんなに強力な魔物だったのか、と初耳のセレナリーゼとミレーネは、程度の差はあるが、どちらも
「レオナルド、お前は魔物がどうやって現れたかを見たか?背中にあった傷は魔物にやられたものだろう?」
「……わかりません。少なくとも気を失う前にはいませんでした。だから意識がない中で攻撃されたんだと思います。だけど俺が起きたらもう倒れていまして。賊もいなくなっているし、今なら逃げられると思って
人間が突然
「……なるほど……誰が倒したのかもわからずじまいか……」
言いながらフォルステッドはじっとレオナルドを見つめていた。
レオナルドから新たな情報が出てこず、なぜ魔物がいたのか、魔物を倒したのは誰なのか、賊の目的とその生死、などといったような今回の事件に関する多くの不明点は、結局わからないままで終わってしまうことに少しだけ室内の空気が重たくなってしまった。
―――――あとがき――――――
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