第11話 招待
セレナリーゼ自身、シャルロッテには何度も会ったことがある。
クルームハイト公爵家には過去、王族の血も入っており、貴族としての地位も最上位だ。
レオナルドと同じ年に生まれたシャルロッテと
ではなぜシャルロッテからの手紙にセレナリーゼは驚いたのか。
それは今まではすべてレオナルド
セレナリーゼは自分の部屋で、シャルロッテからの手紙を読む。
内容はセレナリーゼが次期当主に決まったことへの祝いの言葉と翌月シャルロッテが
レオナルドのことを
両親にも知らせる必要はあるが、まずは当事者であるレオナルドに話すべきだと思ったから。
それに、いくら公爵家の子供と言えど、王女からの誘いを断ることなんてできないし、返事もなるべく早くしなければならない。
そうしてセレナリーゼは自室を出たのだった。
レオナルドは勉強が終わった後、鍛錬までの時間を自室で過ごしていると、そこにセレナリーゼがやって来た。
「レオ兄さま、今お時間よろしいですか?」
「大丈夫だよ。どうしたの?セレナ」
「お話したいことがあるのですが……」
セレナリーゼの表情が少し
それぞれの前に紅茶が置かれ、あらためてレオナルドが問いかける。
「セレナ、話したいことって何かな?」
「……実は……」
セレナリーゼは
シャルロッテがセレナリーゼの次期当主決定を祝ったことは言えなかった。
一方レオナルドはというと、セレナリーゼの話を聞いて何とも言えない感情に
第二王女シャルロッテ、それはブレブロのヒロインの一人だからだ。
レオナルドの中に何度か会った記憶はあるが、ゲーム知識がある今は新たなヒロインの登場にこれまでと違う感情が
だがいつまでもこの気持ちに
「そっか。シャルロッテ様からのお誘いなら行かないとね」
なるべく
「え?あ、はい。そうですね」
「返事はセレナが書いてくれるってことでいいのかな?」
「はい」
「ありがとう。よろしくね?」
「はい」
セレナリーゼは思わずぽかんとした表情を浮かべてしまう。
なぜなら
セレナリーゼが
こうして実に簡単にレオナルドの
結局フォルステッドは自分の感じている不安について何も言うことはなかった。フォルステッドとフェーリスにしても王女であるシャルロッテからの誘いを断ることなんてできないからだ。
そしてセレナリーゼはシャルロッテにお茶会参加の返事を書くのだった。
数日後、王城の一室。
高貴な身分の者に
彼女、シャルロッテは、ちょうど今読み終えたセレナリーゼからの返事の手紙を手に持ち笑みを浮かべていた。
「ふふふっ、よかったぁ。セレナリーゼはちゃんと出席してくれるみたいね。それにレオナルドも」
シャルロッテは手紙をテーブルに置くと席を立ち、窓へと近づき外を
「これで準備は
自分の思った通りに進んでいることに満足しているシャルロッテは、そこで
レオナルドに魔力がないとわかってもう一年以上が
「フォルステッド様がようやく決断してくださって本当によかったわ。お父様が必死に国内の戦力を整えているというのに、大貴族である公爵の
シャルロッテに貴族、それも大貴族の後継者のことに関して口出しなどできる訳がないが、レオナルドが次期当主のままだったら、シャルロッテはこれまでとは違い、今後はセレナリーゼとだけ親交を深めていくつもりだった。王族と公爵家は良好な関係を
でもそんな考えは必要なくなった。これからは普通にセレナリーゼと親交を深めていけばいい状況になったのだ。
「後、
シャルロッテがセレナリーゼのことを好ましく思っているのは事実だが、別にレオナルド個人を嫌いな訳ではない。だが、公爵家の跡取りとして魔力がないというのはそれだけで罪なのだ。間違いなくセレナリーゼの方が
最後に会ったときのレオナルドは思い
だから今のままではまだ安心できない。今後、やっぱり自分が、とレオナルドが言い出さないように、レオナルドの野心を
そのために今回のお茶会を急きょ決めたのだ。王女である自分が持つ人脈や権限を最大限活用して。
「申し訳ないですが、今度のお茶会の日、レオナルドには
幼い頃から知っている相手ではあるが、シャルロッテは子供ながらに第二王女として、王国のために今の自分にできることを真剣に考え、今回の計画を実行することに決めたのだった。
―――――あとがき――――――
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