第10話 対価
戦闘が終わったことを見届けたアレンが魔核などを
「今日は
アレンはレオナルドが
「ああ、いや、何でもないんだ。さあ、先へ進もう」
レオナルドは思わず
「わかりました」
アレンは返事をしながらもレオナルドの様子に内心首を
それからもレオナルドは慎重に、だが、確実に魔物を倒していった。複数の魔物と
これまでは同行している騎士達がやってくれていた魔核や素材となる魔物の部位の回収も、今回からはアレンとレオナルドの二人で行う。これらは冒険者ギルドに売って
最初の頃は売れる部位に関する知識がなく、魔核だけを回収していたためかなり
ちなみに、公爵家の騎士として国に対して売ることもできるのだが、手続きが面倒なため、誰からでも買い取ってくれる冒険者ギルドに売っている。ただし、ギルドに
何度目かの魔物との戦闘を終えたときのこと。
「今日はそろそろ終わりにしましょうか」
アレンの目からは、レオナルドの体力
「はぁ……はぁ……。わかった」
(こんなんじゃ全然ダメだ……!)
今日くらいの魔物との戦闘ならば、できていた記憶はちゃんとあるのに今日はずっと身体が
(俺はもっと強くならなきゃいけないんだ……!)
こうして前世の記憶を思い出したレオナルドの初めての実戦は
王都に戻ったレオナルドとアレンは冒険者ギルドへと
そこで、魔核を含めた素材を売り、二人で代金を分ける。今までは四人で分けていたため一人当たりの取り分は単純に倍になった。
今日は合計八千ベイル。一人当たりにすると四千ベイルだ。慣れてきてからは四人で分けていたのに一人当たりだいたい五千ベイルを超えていたことを考えれば、今日がどれほど少ないかがわかる。
それだけレオナルドが足を引っ張ってしまったということだ。金額という
ちなみに、ベイルという
王国で
小
鉄貨が十ベイル。
大銅貨が千ベイル。
そしてその上に
一般的な
ただ、レオナルド達にとっては、これはあくまで訓練であり、稼ぐことが本命ではないため、そんなこと誰も気にしていない。
「お帰りなさい、レオ兄さま!」
「お帰りなさいませ、レオナルド様」
二人とも笑顔だ。実はミレーネと一緒にセレナリーゼは自室にいたのだが、窓の外からレオナルド達が戻ってきたのが見えたため、サプライズのつもりで出迎えたのだ。ただ、扉の先にセレナリーゼがいることが何となくわかったレオナルドにはあまりサプライズにはならなかったが。
それでも
「ただいま、セレナ、ミレーネ」
だからレオナルドも笑みを浮かべて返すのだった。
それから順調に日々を過ごしていたレオナルドだったが、六月に入ってすぐのこと。勉強を終えたセレナリーゼにメイドが声をかける。
「セレナリーゼ様、お手紙でございます」
セレナリーゼ宛てに手紙が届いたのだ。
「私に、ですか?………っ!?」
メイドから手紙を受け取ったセレナリーゼは
差出人はこの国の第二王女、シャルロッテ=ムージェストだった。
―――――あとがき――――――
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