第3話 メイド
音もなく部屋に入ってきたメイドはレオナルドがベッドに腰
「おはようございます、レオナルド様。起きていらっしゃったのですね」
それでもすぐに
「っ、ああ、おは、よう、ミレーネ……」
突然声をかけられ、身体をビクッとさせたレオナルドは直前まで考え事をしていたせいで無意識にミレーネに顔を向けてしまい、その顔を引き
彼女の顔をまじまじと見て、ここが間違いなく『Blessing Blossom』の世界だとあらためて理解した。
ミレーネはゲームのサブヒロインの一人。背中まである水色の髪に同系色のアクアマリンのような瞳をしているクール系のできる美人メイドさんだ。今はまだレオナルドの
そんな風にざっくりと頭の中でミレーネのストーリーを思い出すレオナルド。それだけならよかったのだが、同時に、この一年でミレーネに向けるようになった
ミレーネと初めて会ったのはレオナルドが五歳のときのこと。
今後、クルームハイト公爵家で働くメイドだと両親に
以降ミレーネは、仕事をこなしながらも、少し年上のお姉さんという感じで、レオナルドやセレナリーゼのよき遊び相手となってくれた。
レオナルドがそんな彼女に好意を
だが、レオナルドは自分に魔力がないとわかった一年ほど前から、
(キモっ!俺キモっ!)
ミレーネは姉のような存在だったのだ。なぜそんな発想になったのか、今振り返って考えてもわからない。
まだガキのくせに、なんともゲスでクズな
自分のことだが、発想が気持ち悪すぎる。
唯一の救いは、レオナルドの考えがまだ
「どうかしましたか?」
レオナルドの様子を
「っ!?あ、いや……」
一瞬レオナルドの目が泳ぐが、レオナルドという人間の
ちなみに、レオナルドは四月生まれ、ミレーネは六月生まれだ。
成長が早い、いや、
「……そうですか。でしたら、朝の準備を始めましょう?皆様をお待たせしてしまいますよ?」
だが、さすがは
何を考えているのかよくわからないミステリアスな笑顔や冷たい感じのする態度はゲーム通りといった印象だ。
「あ、ああ。そうだね」
色々考えていたこと、ミレーネの胸をガン見してしまったことがバレていないことにレオナルドはほっと
―――――あとがき――――――
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