第三話 夢のような朝ー前編ー

「ん……」


最近、目覚まし時計を使わずに起きられている。これは自慢だ。


いつもなら何も思わず、淡々と準備をして学校に行くだけなのだが。


「気が重い……」


まぁ過ぎてしまったことは仕方がない。どうせあいつも、忘れているだろう。


◇◇◇


「行ってきます」


いつも俺が最後だから、誰もいない空っぽな家に一人挨拶をしている。


「うん……?」


俺はとうとう幻覚が見えてしまっているみたいだ。さすがにそうだよな、こんなところにあいつがいるわけ……。


あ、やべ、振り向いた。


「おはようございます。白鳥さん」


あちゃー。やっぱそうだったか。

でも、何でだ?この辺で名前聞いたことないのに。


「おはよう」


え、こんなんで良かったかな、人と会話してなさすぎて距離感とか全然分からん。

てか一緒に登校するの? まさか、そんなわけないよな……?


「では、行きましょうか」


なんでこうも俺の予感は当たるんだ……。

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