第二話 放課後の時間ー後編ー

「ふぅ……ただいま」


「おかえり、奏人」


「ねぇお兄ちゃん助けてぇ……」


「おい梨華、お兄ちゃんに頼るんじゃないぞ」


「はぁい」


相変わらず会話の多い家族で顔が綻ぶ。

優しい母さんと、厳しくも優しい父さんと、家族のムードメーカーの妹。


自慢したいくらい、良い家族だと思う。


まぁ残念なことに、自慢話を出来る程仲良いやつはいないが。


「俺に頼ってもいいけど、ひっとつも分かんねぇぞ?」


「え~中学生の宿題だよ?」


「無理なんで諦めてご自分で頑張ってくだしあ」


「ちぇ」


ネットスラングにつっこまない妹。多分同類。


◇◇◇


夕食を食べ、風呂に入り、自室へ入り、一日の終わりを実感する。


一息ついたところで、あの時のことがフラッシュバックする。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」


布団に顔をうずめ、発狂する……。

ほんとに、あの時の自分、なんてこと、してくれたんだ、おい

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