帰り道
オレは今二足歩行で歩いている。
…うん。だからどうした?って言われたらそれまでなんだか、どうやら普通に歩いているのに前に進みにくい。
どうしたんだよ?って。
それは…超強風のなか道を歩いているんです。
台風がくるから下校時間が早まったのに…オレは違う意味でハヤマッタ…
せっかく早く学校が終わったからと、調子にのって友達と教室でゲームをしておりました…。
なのでバチがあたったのでしょうか…。もっと早く帰っていればこんな強風に煽られることもなかったでしょうに。
もうさ、髪の毛がバッサバサになびいております。
この強風で二、三本抜けて飛んでいってしまったのでは?と、焦っております。
早く帰らねば。
どんどん髪の毛が踊り出して逃げていってしまう。
なんだか修行のように思えてきた…。いや、サバイバルとでも言いましょうか?
そんなくだらないことを考えて歩いていると…
ムズムズ、ムズムズと腕がうずいておった。
ん?なんじゃ⁇
オレは慌ててムズムズする腕をみると…
⁉︎
んんっ⁉︎
なんじゃこりゃ⁉︎
黒いホクロ⁉︎
えっ⁉︎
違う⁉︎
まて、今この瞬間ホクロがオレの手で完成しようとしている⁉︎
…
ビデオに記念をおさめようか?なんてはしゃいでいたら…動いた。
黒い物体が動いてる…。
…
よく目を凝らしてみると、まさかのアリだった。
…
オレ…マジでアリに取り憑かれた?
最近…アリざんまいなオレ。
このまま家に連れて行き、アリと同棲するわけにもいかないので、アリさんには野原で野宿するようお願いした。
きっとアリもその方が幸せだろう。
アリにお別れすると、アリはオレなんて見向きもせずにどこかへ行ってしまった。
はや…
オレはムズムズしていた手をサラサラと反対の手の力を借りて軽くさすって、かえろとしたら…
「あれ?リョウじゃん?」
と那月らしき人の声がした。
いまさらだけど、オレの名前はリョウです。
そして振り返ると、やっぱり那月でした。
「あ、那月?今下校?遅くね⁉︎」
と、自分のことをたなにあげてそんな質問をした。
すると那月は、
「へへ、友達と寄り道して遊んでた。」
と、白状した。
「オレとおんなじか」
「マジ?うちらバカだねぇ」
と、笑い合った。
そしてくだらない話をしながら歩いていたんですよ。
で、さっきのアリの話を那月にした。
アリが手にひっついてきたから、そっと解放したと。
するとさっきまで笑っていた那月が、
「のろけ?ヤダ、うざっ」
といきなり冷たい視線を向けてきた。
?
のろけ…?
はて、あのアリはメスだったのだろうか?
てか、そんなに怒ること?
…
わからん…那月がわからない…。
変な反抗期だから…余計わからない。
那月は、アリになにかされたのだろうか?
…
「那月は、アリ嫌い?」
と質問してみた。
すると、
「…微妙」
と言われた。
…
返事が微妙ーー…
何それー?
「微妙か…」
「うん。リョウは、アリちゃんいつから好きなの?」
なんて言われてさ…
いつからって…いつ?ってか、そこまで好きってわけでも…ないよね。
「うーん。好きっていうか…お世話になっている…というか、黒くてカッコいいみたいな?」
と返すと那月は、ボーイッシュが好きってこと?
と言い出した。
…
ボーイッシュって…
「ところでなんで最近那月は、アリにこだわるの?」
と思いきって聞いてみた。
すると…意外なこたえが返ってきた。
「そりゃ、ライバルだし…てか、負けたけど…負けたのは認めるけど…でも…すぐに諦めきれないじゃん‼︎」
といいダッシュで走っていってしまった。
…那月は、アリがライバルなん⁇
てか、負けたん⁇
…
そもそも那月はアリと、どんな勝負をしたのだろうか?
どっちが歩くのはやいとか?
…那月だろう。
じゃあ那月の髪の毛とアリのからだ、どっちの方が黒いとか?
…
わからない…。
アリと勝負する幼馴染が謎すぎて迷宮入りしそうです。
続く。
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