第3話


「っよっしゃ! 終わり!」


「ちょっと、シー。油断しちゃ駄目だよ!」


「そういうボーこそすでにご飯の食べてるじゃん。」


「え? むぐむぐ それはさ・・・ もごもご ・・・関係ないでしょ?」


「食べ終わってからしゃべるんだな。」


 ドラゴンの討伐も終わり、安全地帯となった火山で休憩を取る。こういうときは大体ヤミが周囲を警戒してくれている。


「ヤミも一緒に食べようぜ! ・・・ヤミ?」


「・・・」


「どうしたのオッチン?」


「・・・あ、あぁすみません。早速食いましょう!」


「ああ。そうしよう!」


 こうして、ふたたび昼食に戻る。


 勇者パーティーの冒険もそろそろ終盤にさしかかってくるのだろうか。



 ╋╋╋╋╋╋



「勇者、ソー・クシーよ。そなたに魔王討伐の任務を与える。」


「はっ!」


 俺が勇者討伐を命令されたのは、どうしてなんだろうな。

 俺は、学校でも成績下位。運動もそんなに得意ではなかった。


 それでも、不可解なのは、「性格」だろう。


 もともと性格は暗かった。勇者とは思えないほど沈んでいて、絶望の塊みたいだった。


 これが変わったのは「ボー」のおかげだろう。

 彼女と一緒に旅をするから、俺は少しずつ性格を変えられた。


 王様の心は分からない。


 だが、小耳に挟んだ話がある。

 王様から、「子供の中でもっとも勇敢な者を差し出せ」とお達しがあったそうだ。


 当然、子供を冒険に出すなんて危険なことをさせたくはないだろう。

 まして、この子供の保護所は子供達の親からもらう月謝で成り立っている。


 だから、もう親がおらず保護として入れざるを得なかった「俺」を追放するために推薦した。


 あり得る話だ。


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