第2話



「シー!早くきなさいよ!」


 そう怒っているのは、うちのパーティーのボーだ。うちのヒロインである。


「ごめんごめん。鎧が重くてさ。」


「たしか、1トンしかないんじゃなかった?」


「そうだけどさ…」


 ボーは、その細い体と反して職業がバーサーカーだ。

 とんでもなく強い。でも、時々脳筋思考しかしない傾向がある。

 一応補足すると、ボーの本名は「ボー・キャク」という。


「まあまあ、ボーも落ち着きなよ。」


「オッチン。喧嘩の邪魔はしないでよ!」


「えぇ? それはちょっと理不尽じゃないですか?」


 彼は「ヤミ・オチ」。このパーティーのヒーラーだ。少し気が弱いが、正義感が強く頼りになる。


「遅いぞ。今日はドラゴン討伐だろ?」


「「あ! 置いていこうとするな!(しないでください!)」」


 こういうときは、放っておくに限る。


 こうして、勇者パーティーの一日は始まる。

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