夢身
夢を見たい
夢身
「いった…」
アスファルトから起きるとそこは街だった、日本というより米国の住宅街だ
「どこだ…?ここ」
昨日は家のベッドで寝た記憶がある、もしかして誘拐…?と思ったが私は解放されているし、それに不思議とそんな気はせず、落ち着いていた
とりあえずそこら中の民家を一つ選び
ドアベルを鳴らす
が、誰も出ずビープ音がずっと鳴るだけ、と言うかこの真昼に人一人も出歩いていない、民家も良く見てみると生活感がまったくない、ダメ元で扉を開けようとすると鍵は掛かってなく、恐る恐る家の中に入ると家具が一切無い、2階に行くがこちらも何も無い、私は民家を諦め外に出て、辺りを見回すと大きい建物が遠くの方にあることに気づき、何かあるかも知れないので大きな建物に行くことにした
その建物に行く途中にいくつか民家を覗いてみるが、やはりどの民家も全く家具が無く、すべて同じ作りだったが、ある民家に自転車があり、そのおかげで建物に数十分もせずに着いた、大きな建物は汚れていて全体の外観が真っ黒になっていて
建物の形がわからないほど苔や草が全身に生い茂っている、錆びている鉄の扉をこじ開け
その建物に入る
建物の中に入ると外観とは似ても似つかない汚れ方をしている、見える所は全てと思うくらいにほとんどの場所が黒く劣化していた
良く見るとホテルのエントランスに似た場所があり、ここはホテルなのだろうと思い受付カウンターに近づくと何処からともなく声が聞こえる
「おや、お客様ですか」
姿が見えない事に困惑していると受付の奥から黒い人形の何かが出てきた
「お代は結構ですので」
黒い何かは私に鍵を無理矢理渡してきた、怪し過ぎるが、このまま待っていても進展はないと思いキーホルダーに書かれている部屋に行く事にした
207号室、階段を上がりドアの前に立つと妙に焦燥感に駆られ鍵を開け直ぐに部屋に入る
エントランスと同じ様にほとんどの場所が黒く劣化していた、不思議と汚いとは思わずにベッドに腰をかけると
「〇〇〜、居ますか〜?」
私を呼ぶ声がする、黒い何かとは違う声だ
「〇〇〜、居ますか〜」
何度も呼び声を聞いていると、この声が私の中学生時代の担任“小野寺先生”だと言うことに気が付き、会いに行こうと扉の前に着くと同時になぜここに“小野寺先生”が居るのかとふと思う
「〇〇〜、居ますか〜」
私を呼ぶ声はどんどん近づいてくる、私はドアスコープを覗くとそこに居たのは肌色のスライムの様な何かに笑顔の“小野寺先生”の顔が張り付いている何かが居た、驚きでドアスコープから目を離せなくなっていると、何かに付いている“小野寺先生”の顔とドアスコープ越しに目が合う、私は咄嗟に扉から距離を取り、隠れられそうなクローゼットに入ると、クローゼットの下部に小さな穴が空いている事に気がつき、その穴の中に入るとその穴は外と繋がっていて、外に生えている木をつたって何とか外に出ると、外は何故か夕方だった
夢身 完
夢身 夢を見たい @Dream_kaki
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